受験数学においてやってはいけないことをランキングするならば,\ 第1位は『白紙』である.
0点確実,\ もはや提出する意味もない.\ 絶対に許されない行動である.
では,\ やってはいけないことランキング第2位は何かと聞かれたら『凡ミス』であろう.
一口に凡ミスと言っても様々なミスが考えられ,\ 試験時間中は常に遭遇の危険がある.
・基本的な計算における計算ミス
・記述ミス
・問題の読み取りミス
・条件の確認忘れ(これは凡ミスとはいえないかも)
これらのミスは絶望的なくらい多い.
並レベルの学生の場合,\ 試験時間内に一度も凡ミスしない確率はほぼ0といってもいい.
凡ミスする直接的な理由は様々考えられる.
しかし,\ その諸悪の根元は『学生本人の甘い考え』『想像力の欠如』である.
「凡ミスしちゃった.\ テヘ」「次から注意すればいいや」「実質90点」
凡ミスを防ごうとする気もなければ,\ 原因を探ることも反省することもない.
そして繰り返す.\ おそらく,\ もう次がない本番でもやらかすことだろう.
そのときも同じような台詞を言うつもりなのだろうか.\ 「本当は合格していたんだ」と.
凡ミス,\ イージーミスというと犯しても仕方ないミスとも聞こえるが,\ 大間違いである.
凡ミスこそ受験数学において最もやってはいけない重大で深刻なミスである.
自身の数学力で本来取れるはずの点数を失ってしまうことになるからである.
誰もが解ける簡単な問題で凡ミスして10点失ってしまったとしよう.
周りは皆同程度の能力を持つ受験生ばかりである.
他のより難しい問題でその10点を挽回するなどということが果たして可能なのだろうか.
当然,\ 他の受験生が解ける問題をすべて解かなければならない.
その上でさらに,\ 他の受験生が解けない問題を10点分解いて初めて凡ミスがチャラになる.
このように,\ 凡ミスの重大さ・深刻さは計り知れない.
凡ミスしたその瞬間,\ 合格レースから脱落してしまうといっても過言ではないのである.
TVのドッキリ番組で床が開いてタレントが落とし穴に落ちるのを見たことがあるだろう.
受験生はそれと全く同じ状況で試験を受けていることを想像しなければならない.
試験中の受験生の椅子の下は落とし穴であり,\ 凡ミスした瞬間に床が開く仕組みである.
試験官 \ 「100人から30人を選抜します.\ 制限時間60分.\ はじめ!」}
試験官 \ 「2分経過!受験番号27落下!」}
受験生(45) 「ヒィィィ!もう1人消えた$$」}
試験官 \ 「3分経過!受験番号81落下!」}
受験生(45) 「また1人逝った$$落ちたくない落ちたくない!」}
試験官 \ 「5分経過!受験番号68落下!」}
$$
床 (45) 「バァ${——-}$ン」}
受験生(45)「ぎゃあ}{ あああ} あああ}{ あああ} あああ} あああ} あああ} あああ}」}
試験官 \ 「26分経過!受験番号45落下!」}
$$
試験官 \ 「終了!残っているのは50人くらいか」}
こうして最後まで残った受験生の中でさらに能力の高い学生が合格する.
入試(選抜試験)では,\ 凡ミスが定期試験や外部模試とは別次元の意味を持ってくる.
普段と同じ感覚で入試に挑もうとしている受験生は,\ その意識を改めなければならない.
では,\ 具体的にどのような意識を持って試験を受ければ凡ミスをなくせるのだろうか.
一例として,\ 凡ミスをする学生と凡ミスをしない学生の思考を比較して示そう.
【凡ミスをする学生の思考】
やった!超簡単な問題だ!さっさと終わらせて次行こう!早く早く早く
y’=6ax²-2ax(←\ 大間違い) よし!終わった!余裕で10点GET}!
})$}
$(l}
【凡ミスをしない学生の思考】
基本問題だな.\ この問題は絶対に落とせない.\ 万に一つのミスも許されない.
最大級の慎重さで計算しよう.\ 慎重に 慎重に 慎重に
x³の微分が3x²だから(2a x³)’=2a3x²=6ax²\ だな.\ 丁寧に丁寧に
あとちょっと ここで油断してはいけない.
(x)’=1を考慮すると\ y’=6ax²-a²\ だな.\ 一応検算して よし,\ 完璧.
})$}
多くの学生は,\ 凡ミスの原因を尋ねると「不注意でした.\ 次は注意します」などという.
しかし,\ 凡ミスをなくすのは容易なことではない.\ 想像以上の慎重さが必要である.
まず,\ 自身の計算力の最大スピードで計算すると必ず間違える.
速さと正確さは相反するため,\ 通常よりもスピードを落として計算しなければならない.
それでは試験時間内に終わらないという学生もいるが,\ 凡ミスしてしまえば元も子もない.
速さよりも正確さを重視し,\ 取れるはずの点数を確実に確保するのが数学の鉄則である.
もしそれで時間が不足するならば,\ 単に学力不足・計算力不足ということである.
普段の学習の中で,\ より高速で計算できるよう計算力強化しておくべきだったのである.
そこを軽視しておきながら,\ 本番で速さと正確さを両方求めるのは都合が良すぎる話である.
もっとも,\ 優秀な学生も試験中常に最大の慎重さと集中力を保っているわけではない.
人間である以上,\ 2時間3時間キープし続けるのは不可能である.
そこで重要になるのがメリハリである.
つまり,\ 慎重さ・正確さを重視すべき場所とそうでない場所とを意識的に区別する.
たとえば,\ 問題を読み間違えてしまうと,\ それで一巻の終わりである.
よって,\ 問題を読み取るときは最大限の慎重さが要求される.
実際,\ この段階ですでに間違えているケースはとんでもなく多いのが現実である.
問題の読み取りは,\ 一言一句慎重に確認しながら行うべきである.
その他,\ 微分計算を間違えてしまうと,\ 増減表・グラフ・面積(積分)が全滅必至である.
このように,\ 後半に大きく影響する大問の序盤などは最大限の慎重さが要求される.
特に重要な部分は二度三度の確認や検算を行ってしかるべきである.
一方で,\ 時間が不足しがちな後半は,\ 正確さより速さ重視で記述量を稼ぐ作戦も悪くない.
単に不注意というのは表面上の話で,\ 上の凡ミス例にはより本質的な理由も考えられる.
試験には集中できていても,\ 計算そのものに集中できていないことである.
つまり,\ 計算途中にもかかわらず,\ すでに意識が先走ってしまっているのである.
「次の問題どうやって解こう」などと考えていてその計算が正確にできるはずはない.
数学では,\ 計算と思考は別々に行う必要がある.
計算するときはその計算だけに集中,\ 思考するときは思考だけに集中しなければならない.
さらに,\ 答えまでの目処がたった瞬間,\ 気の緩みが生じてミスを誘発することも多い.
「あとは足すだけ$$ふう」などともう解けた気になっていると,\ その足し算を間違える.
計算するときは,\ 最後の最後まで同レベルの集中力を維持し続けなければならない.
では,\ 条件の読み忘れや確認忘れを防ぐ記述上の重要テクニックを紹介しておこう. {問題で与えられた条件を数式で答案用紙に大きく書いて囲む}
例えば,\ 『$m,\ n$を正の実数とする』とあったとしよう.
直ちに,\ { {$m>0,n>0$}\ などと数式に変換して目立つように記述する.
また,\ 『$m,\ n$を0以上の整数とする』とあったとしよう.
すべてを数式で書くのが難しい場合は日本語を使ってもかまわない.
例えば,\ { {$m,\ n:整数,m0,n0$}\ などと書ける.
とにかく,\ 一目見て条件がわかりやすいように工夫して記述することが重要である.
実際の入試問題では,\ やたらと問題文が長く,\ 一見しただけでは理解できないことも多い.
そこで,\ 条件は何か,\ 何を求めるのかなどをまず整理して記述しておくのである.
例えば,\ 最初に答案用紙の右上につぎのようにまとめておけばわかりやすいだろう.
求めるもの:最大値Mと最小値m
$
これで,\ 何度も問題を読み返したり,\ 問題用紙と解答用紙を行き来する必要がなくなる.
勿論,\ この段階で抜けたり写し間違えると本末転倒なので最大限の慎重さが要求される.
『問題の条件を抜き出して数式で表現しておく』のは何も凡ミスを防ぐためだけではない.
数学の問題を解くうえで,\ 日本語を数式に変換するという行為自体が非常に本質的である.
そのため,\ 問題によってはこれだけで部分点の対象になる.
日本語の条件を同値な数式条件に変換できるかも数学的能力の1つというわけである.
以下の例のように,\ 場合によっては自分で文字を設定してでも数式で表現する.
$C=90°$の直角三角形ABC → $a²+b²=c²$
$AB},\ AC}\ が垂直$ → $AB}AC}=0$
$1²,3²,5²,の初項から第n項までの和 → Σ(2k-1)²$
$自然数a,\ bの最大公約数がg$ → $a=ga’,b=gb'(a’,\ b’:互いに素な自然数)$
また,\ 場合分けしたとき,\ その元で出た答えが場合分けの条件を満たすか確認を要する.
この確認を忘れないようにするために,\ 次のように囲っておくのもよいだろう.
ミスを防ぐためには,\ 普段から徹底的な工夫が必要である.
さて,\ 確かに合格・不合格という観点から見ると,\ 凡ミスは極めて重大で深刻である.
しかし,\ 数学的な観点から見ると,\ それほど重要ではないことも多い. を複素数の範囲で因数分解せよ. (10点)
0点確実,\ もはや提出する意味もない.\ 絶対に許されない行動である.
では,\ やってはいけないことランキング第2位は何かと聞かれたら『凡ミス』であろう.
一口に凡ミスと言っても様々なミスが考えられ,\ 試験時間中は常に遭遇の危険がある.
・基本的な計算における計算ミス
・記述ミス
・問題の読み取りミス
・条件の確認忘れ(これは凡ミスとはいえないかも)
これらのミスは絶望的なくらい多い.
並レベルの学生の場合,\ 試験時間内に一度も凡ミスしない確率はほぼ0といってもいい.
凡ミスする直接的な理由は様々考えられる.
しかし,\ その諸悪の根元は『学生本人の甘い考え』『想像力の欠如』である.
「凡ミスしちゃった.\ テヘ」「次から注意すればいいや」「実質90点」
凡ミスを防ごうとする気もなければ,\ 原因を探ることも反省することもない.
そして繰り返す.\ おそらく,\ もう次がない本番でもやらかすことだろう.
そのときも同じような台詞を言うつもりなのだろうか.\ 「本当は合格していたんだ」と.
凡ミス,\ イージーミスというと犯しても仕方ないミスとも聞こえるが,\ 大間違いである.
凡ミスこそ受験数学において最もやってはいけない重大で深刻なミスである.
自身の数学力で本来取れるはずの点数を失ってしまうことになるからである.
誰もが解ける簡単な問題で凡ミスして10点失ってしまったとしよう.
周りは皆同程度の能力を持つ受験生ばかりである.
他のより難しい問題でその10点を挽回するなどということが果たして可能なのだろうか.
当然,\ 他の受験生が解ける問題をすべて解かなければならない.
その上でさらに,\ 他の受験生が解けない問題を10点分解いて初めて凡ミスがチャラになる.
このように,\ 凡ミスの重大さ・深刻さは計り知れない.
凡ミスしたその瞬間,\ 合格レースから脱落してしまうといっても過言ではないのである.
TVのドッキリ番組で床が開いてタレントが落とし穴に落ちるのを見たことがあるだろう.
受験生はそれと全く同じ状況で試験を受けていることを想像しなければならない.
試験中の受験生の椅子の下は落とし穴であり,\ 凡ミスした瞬間に床が開く仕組みである.
試験官 \ 「100人から30人を選抜します.\ 制限時間60分.\ はじめ!」}
試験官 \ 「2分経過!受験番号27落下!」}
受験生(45) 「ヒィィィ!もう1人消えた$$」}
試験官 \ 「3分経過!受験番号81落下!」}
受験生(45) 「また1人逝った$$落ちたくない落ちたくない!」}
試験官 \ 「5分経過!受験番号68落下!」}
$$
床 (45) 「バァ${——-}$ン」}
受験生(45)「ぎゃあ}{ あああ} あああ}{ あああ} あああ} あああ} あああ} あああ}」}
試験官 \ 「26分経過!受験番号45落下!」}
$$
試験官 \ 「終了!残っているのは50人くらいか」}
こうして最後まで残った受験生の中でさらに能力の高い学生が合格する.
入試(選抜試験)では,\ 凡ミスが定期試験や外部模試とは別次元の意味を持ってくる.
普段と同じ感覚で入試に挑もうとしている受験生は,\ その意識を改めなければならない.
では,\ 具体的にどのような意識を持って試験を受ければ凡ミスをなくせるのだろうか.
一例として,\ 凡ミスをする学生と凡ミスをしない学生の思考を比較して示そう.
【凡ミスをする学生の思考】
やった!超簡単な問題だ!さっさと終わらせて次行こう!早く早く早く
y’=6ax²-2ax(←\ 大間違い) よし!終わった!余裕で10点GET}!
})$}
$(l}
【凡ミスをしない学生の思考】
基本問題だな.\ この問題は絶対に落とせない.\ 万に一つのミスも許されない.
最大級の慎重さで計算しよう.\ 慎重に 慎重に 慎重に
x³の微分が3x²だから(2a x³)’=2a3x²=6ax²\ だな.\ 丁寧に丁寧に
あとちょっと ここで油断してはいけない.
(x)’=1を考慮すると\ y’=6ax²-a²\ だな.\ 一応検算して よし,\ 完璧.
})$}
多くの学生は,\ 凡ミスの原因を尋ねると「不注意でした.\ 次は注意します」などという.
しかし,\ 凡ミスをなくすのは容易なことではない.\ 想像以上の慎重さが必要である.
まず,\ 自身の計算力の最大スピードで計算すると必ず間違える.
速さと正確さは相反するため,\ 通常よりもスピードを落として計算しなければならない.
それでは試験時間内に終わらないという学生もいるが,\ 凡ミスしてしまえば元も子もない.
速さよりも正確さを重視し,\ 取れるはずの点数を確実に確保するのが数学の鉄則である.
もしそれで時間が不足するならば,\ 単に学力不足・計算力不足ということである.
普段の学習の中で,\ より高速で計算できるよう計算力強化しておくべきだったのである.
そこを軽視しておきながら,\ 本番で速さと正確さを両方求めるのは都合が良すぎる話である.
もっとも,\ 優秀な学生も試験中常に最大の慎重さと集中力を保っているわけではない.
人間である以上,\ 2時間3時間キープし続けるのは不可能である.
そこで重要になるのがメリハリである.
つまり,\ 慎重さ・正確さを重視すべき場所とそうでない場所とを意識的に区別する.
たとえば,\ 問題を読み間違えてしまうと,\ それで一巻の終わりである.
よって,\ 問題を読み取るときは最大限の慎重さが要求される.
実際,\ この段階ですでに間違えているケースはとんでもなく多いのが現実である.
問題の読み取りは,\ 一言一句慎重に確認しながら行うべきである.
その他,\ 微分計算を間違えてしまうと,\ 増減表・グラフ・面積(積分)が全滅必至である.
このように,\ 後半に大きく影響する大問の序盤などは最大限の慎重さが要求される.
特に重要な部分は二度三度の確認や検算を行ってしかるべきである.
一方で,\ 時間が不足しがちな後半は,\ 正確さより速さ重視で記述量を稼ぐ作戦も悪くない.
単に不注意というのは表面上の話で,\ 上の凡ミス例にはより本質的な理由も考えられる.
試験には集中できていても,\ 計算そのものに集中できていないことである.
つまり,\ 計算途中にもかかわらず,\ すでに意識が先走ってしまっているのである.
「次の問題どうやって解こう」などと考えていてその計算が正確にできるはずはない.
数学では,\ 計算と思考は別々に行う必要がある.
計算するときはその計算だけに集中,\ 思考するときは思考だけに集中しなければならない.
さらに,\ 答えまでの目処がたった瞬間,\ 気の緩みが生じてミスを誘発することも多い.
「あとは足すだけ$$ふう」などともう解けた気になっていると,\ その足し算を間違える.
計算するときは,\ 最後の最後まで同レベルの集中力を維持し続けなければならない.
では,\ 条件の読み忘れや確認忘れを防ぐ記述上の重要テクニックを紹介しておこう. {問題で与えられた条件を数式で答案用紙に大きく書いて囲む}
例えば,\ 『$m,\ n$を正の実数とする』とあったとしよう.
直ちに,\ { {$m>0,n>0$}\ などと数式に変換して目立つように記述する.
また,\ 『$m,\ n$を0以上の整数とする』とあったとしよう.
すべてを数式で書くのが難しい場合は日本語を使ってもかまわない.
例えば,\ { {$m,\ n:整数,m0,n0$}\ などと書ける.
とにかく,\ 一目見て条件がわかりやすいように工夫して記述することが重要である.
実際の入試問題では,\ やたらと問題文が長く,\ 一見しただけでは理解できないことも多い.
そこで,\ 条件は何か,\ 何を求めるのかなどをまず整理して記述しておくのである.
例えば,\ 最初に答案用紙の右上につぎのようにまとめておけばわかりやすいだろう.
求めるもの:最大値Mと最小値m
$
これで,\ 何度も問題を読み返したり,\ 問題用紙と解答用紙を行き来する必要がなくなる.
勿論,\ この段階で抜けたり写し間違えると本末転倒なので最大限の慎重さが要求される.
『問題の条件を抜き出して数式で表現しておく』のは何も凡ミスを防ぐためだけではない.
数学の問題を解くうえで,\ 日本語を数式に変換するという行為自体が非常に本質的である.
そのため,\ 問題によってはこれだけで部分点の対象になる.
日本語の条件を同値な数式条件に変換できるかも数学的能力の1つというわけである.
以下の例のように,\ 場合によっては自分で文字を設定してでも数式で表現する.
$C=90°$の直角三角形ABC → $a²+b²=c²$
$AB},\ AC}\ が垂直$ → $AB}AC}=0$
$1²,3²,5²,の初項から第n項までの和 → Σ(2k-1)²$
$自然数a,\ bの最大公約数がg$ → $a=ga’,b=gb'(a’,\ b’:互いに素な自然数)$
また,\ 場合分けしたとき,\ その元で出た答えが場合分けの条件を満たすか確認を要する.
この確認を忘れないようにするために,\ 次のように囲っておくのもよいだろう.
ミスを防ぐためには,\ 普段から徹底的な工夫が必要である.
さて,\ 確かに合格・不合格という観点から見ると,\ 凡ミスは極めて重大で深刻である.
しかし,\ 数学的な観点から見ると,\ それほど重要ではないことも多い. を複素数の範囲で因数分解せよ. (10点)
[答案例
この2つの答案をどう評価すべきだろうか.\ 大学側はどちらの学生を欲しがるだろうか.
本問の核心部分は『複素数の範囲で』}という部分である.
最初の変形の時点で$-$を忘れるミスをしたが,\ 核心部分は理解しクリア.
式変形は完璧だが,\ 核心部分に至っていない(中学生でも書ける答案).
個人的には,\ 大学入試の採点ならば,\ は8点,\ は2点とする.
はっきり言って,\ 核心部分に触れていることの重要さに比べると,\ ${-}$などどうでもいい.
入試では,\ 次のようなことが受験生の想像をはるかに超えて重要である. {「核心部分に触れる」「結論までのプロセスを示す」
状況次第では,\ 慎重さやミスの修正より,\ 多少適当でも核心部分の記述を優先すべきである.
例えば,\ 終了直前になって必死に微分計算していても意味がない(単純な計算問題なら別).
むしろ,\ 微分の後何をどうするかという過程・戦略を日本語で記述しておくべきである.
中には凡ミスに非常に厳しい大学もあるかもしれないので注意.