基本的な数学的帰納法①:等式の証明

数学的帰納法 自然数${n}$の命題${P(n)}$が全ての${n}$について成立することを示す方法. 実際には,\ 以下の2点を示すことになる. $$${Pが成立することを示す.$ $$${P(k)が成立することを仮定し,\ P(k+1)が成立することを示す.$ 数学的帰納法は,\ 直感的にはドミノ倒しにたとえられる(倒れる=証明完了). }は,\ {1番目のドミノを倒す}ためのものである. }は,\ {k番目のドミノが倒れたとき,\ (k+1)番目のドミノも倒す}ためにある. 文字kで一般化されているから,\ 連鎖的にドミノが倒されることになる. }でPを倒す\ →\ Pも倒れる(でk=1)\ →\ Pも倒れる(でk=2) これが永遠に繰り返され,\ 無限にあるすべてのドミノが倒されるのである. 数学的帰納法は,\ {自然数nの命題において絶大な威力}を発揮する. 一般に,\ 無限にあるすべての自然数について成立することを示すのは容易ではない. しかし,\ 数学的帰納法を使えば,\ 上の2点を手順通り示すだけで済む. 問題パターンは複数あるが,\ やるべきことの根幹は全て同じである. また,\ 受験という意味では,\ 部分点を稼ぎやすいというメリットもある. 実際に証明できなくても,\ 最低限の{証明の概要を示すことができる}からである. {すべての自然数についての証明問題では,\ 常に数学的帰納法を想定しておく}ことが重要である. なお,\ 「数学的帰納法」とはいうものの,\ 実は帰納ではなく{演繹}(えんえき)である. よって,\ 「帰納法で示す」のように,\ {「数学的」を省略して記述してはならない.} を自然数とするとき,\ 次の等式を数学的帰納法によって証明せよ.$ ${,\ より,\ すべての自然数nについては成立する.}$ とりあえず,\ 記述しやすいように与式に番号をつける.\ n=1のときの証明は容易である. {左辺と右辺にそれぞれn=1を代入}し,\ 一致することを示せばよい. n=kの場合を仮定し,\ kを代入した式を書く. さて,\ n=k+1のときを証明する前に,\ 面倒でも下線部の記述をしておくとよい. 必須の記述ではないが,\ {証明する前に最終結果の式を示しておく}のである. 理由の1つは,\ 自分自身で最終目標をしっかり認識するためである. 証明中に,\ 今何をしていてこれから何をすべきかがわからなくなることは多い. 先に目標を示しておくことで,\ そこに一直線に向かっていけるようになる. また,\ 部分点をもらいやすくなるメリットもある. 仮に証明が完遂できなくても,\ 最終的に何を示すべきかは認識できていたことがアピールできる. さらに,\ 本問の場合,\ 先にn=k+1のときの式を整理しておけるメリットもある. つまり,\ {3(k+1)-5}\ →\ 3k-2\ としておき,\ これを証明する. 後から\ 3k-2\ →\ 3(k+1)-5\ のように逆に変形するよりも示しやすいはずである. 目標の式を証明する.\ このとき,\ {必ず仮定した式を使用}する. 下線部の等式の証明なので,\ 下線部の式の左辺を変形していき,\ 右辺になることを示す. 下線部の式の左辺の\ 11++(3k-2)2^{k-1}\ の部分は仮定の式と共通である. よって,\ この部分に仮定した式を適用する(仮定した式で置き換える)ことができる. 後はこれを整理していけば,\ 必ず下線部の式の右辺になるはずである. 必ずそうなるはずだという明確な意図を持って変形していく. {仮定した式の両辺に\ (3k+1)2^k\ を加え,\ 右辺を計算する}と考えても同じである. 最後は決まり文句を書いて完了する. 正の整数nに対し,S(n)=Σp=1}{2n}{(-1)^{p-1{p},T(n)=Σq=1}{n}{1}{n+q}とおく.$ $等式\ S(n)=T(n)(n=1,\ 2,\ 3,\ )\ が成り立つことを,\ 数学的帰納法を用いて示せ.$ 本問をΣのまま考えようとするのはあまりにも無謀である. 正体がわかりにくいΣは,\ {和の形で書き出してみる}ことが重要である. このとき,\ nが1増えると,\ S(n)の項は2増えることに注意する. 例えば,\ S=1-12,S=1-12+13-14\ である. nとS(n)の対応をわかりやすくするために,\ 括弧をつけておいた. 本問の最大の難所は,\ {n=k+1のときの最終目標を正しく認識できるか}である. 簡単そうに思えるが,\ 実際にやってみると正しく認識できない人が少なくない. S(n)とT(n)の規則性をよく考えて判断する必要がある. n=k+1のとき,\ S(n)は2(k+1)=2k+2\ 項までの和である T(n)についても間違えやすいので注意してほしい. n=k+1の最終目標の式さえわかれば,\ 仮定を用いて証明するだけである. 最終目標の式と見比べると,\ {1}{k+1}\ と\ -{1}{2k+2}\ の部分だけが異なる. よって,\ これをまとめれば最終目標の式となると予想される. [.2z
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