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糖類}}  多くが一般式 で表される.\ 米やパンに多く含まれている. とも表せるので,炭水化物}}(炭素と水の化合物)とも呼ばれる. {構成単位数による糖の分類}単糖}}  {それ以上加水分解されない糖.}} \\[.2zh] 二糖}}  加水分解によって単糖2分子}}が生じる糖. \\[.2zh] 少糖}}  加水分解によって単糖2~10分子}}が生じる糖.\ \textbf{オリゴ糖}ともいう. \\
{\small (オリゴはギリシャ語で『少ない』の意){多糖}}  加水分解によって多数の単糖}}が生じる糖.\ 高分子化合物}}. \\\\代表的な単糖}} \{グルコース(ブドウ糖)の立体構造と水溶液中での平衡状態}} \
最も代表的な糖類がグルコースで,\ 出題率\text{No.1}である.\ 語尾は糖を意味する\ \text{-\,ose}\,(オース)である. \\[.2zh] 天然に大量に存在しており,\ ぶどうに多く含まれることもあってか葡萄(ブドウ)糖とも呼ばれる. \\[.2zh] \bm{結晶中では\,\alpha\,か\,\beta\,の環式構造をとるが,\ 水溶液中では\,\alpha,\ 鎖式,\ \beta\,の平衡状態になる.} \\[.2zh] ただし,\ おおよそ\ \alpha\ 37\%,\ 鎖式0.01\%,\ \beta\ 63\%\ (25℃)であり,\ 鎖式の割合は非常に小さい. \\[1zh] グルコースは,\ \alpha,\ 鎖式,\ \beta\ の構造式をいずれも書けるようにしておく必要がある. \\[.2zh] 環状グルコースの場合,\ まず\bm{右上が\ce{O},\ その他が\ce{C}の六角形}を書く. \\[.2zh] 区別するため,\ \bm{右端の\ce{C}原子から時計回りに番号をつけ,\ 1位,\ 2位,\ \cdots\ と呼ぶ.} \\[.2zh] さらに,\ \bm{5位の\ce{C}から枝分かれさせた\ce{C}\,(6位)を書く}(下左図). \\[.2zh] \bm{環をつくる\ce{C}は省略されることも多い}ので,\ 構造式を書くときは問題の指定に従う. \\[.2zh] また,\ 糖類の構造式は\bm{立体構造を考慮して書く}必要がある. \\[.2zh] 構造式を書くうえで最も重要なのは\bm{\textcolor{red}{\ce{OH}基の位置}}である. \\[.2zh] 一般に,\ 1位の\ce{OH}基が六角形の面に対して6位の\ce{C}と同じ側ならば\,\alpha\,形,\ 逆側ならば\,\beta\,形という. \\[.2zh] \alpha\,\text{-}\,グルコースの場合,\ 1位から\bm{\textcolor{red}{下下上下}}の順で\ce{OH}基をつける. \\[.2zh] \beta\,\text{-}\,グルコースの場合,\ 1位から\bm{\textcolor{red}{上下上下}}の順で\ce{OH}基をつける. \\[.2zh] 2位,\ 3位,\ 4位が下上下なのがグルコースで,\ 1位が下か上かで\,\alpha\,か\,\beta\,かが決まるわけである. \\[.2zh] 後は\ce{C}原子の価標が4本であることを考慮して\ce{H}原子を加えればよい. \\[1zh] \bm{1位の\ce{C}との間のエーテル結合が切れて開環する.} \\[.2zh] さらに,\ \bm{1位の\ce{OH}基の\ce{H}がエーテル結合の\ce{O}と結合}したのが鎖式構造である. \\[.2zh] 1位の\ce{C}と元の\ce{OH}基の\ce{O}原子間は二重結合となる. \\[.2zh] このときにできるアルデヒド基\ce{- CHO}の\ce{O}と\ce{H}は,\ どちらを上に書いてもよい. \\[.2zh] 逆に,\ \bm{アルデヒド基の\ce{C}と\ce{OH}基の\ce{O},\ アルデヒド基の\ce{O}と\ce{OH}基の\ce{H}が結合すると環式になる.} \\[.2zh] \ce{OH}基の極性(電荷の偏り)は(\delta-)\,\ce{OH}\,(\delta+),\ \ce{CO}基の極性は(\delta+)\,\ce{CO}\,(\delta-)である. \\[.2zh] よって,\ \ce{OH}基の\ce{O}と\ce{CO}基の\ce{C},\ \ce{OH}基の\ce{H}と\ce{CO}基の\ce{O}が結合するわけである. \\[1zh] \ce{C-O-C-O-C}のように,\ 1つの\ce{C}原子にエーテル結合が2つある有機化合物をアセタールという. \\[.2zh] \ce{C-O-C-O-H}のように,\ 一方の\ce{C}が\ce{H}になった部分を\bm{ヘミアセタール構造}という. \\[.2zh] ヘミ(\text{hemi})は半分を意味するギリシャ語である. \\[.2zh] \bm{ヘミアセタール構造はアルデヒド基に変化するので,\ これをもつ物質は還元性を示す.
フルクトース(果糖)の立体構造と水溶液中での平衡状態}} \\[-2.5zh] フルクトースは,\ 果実に多く含まれるので果糖(\text{fruit sugar})とも呼ばれる. \\[.2zh] 天然の糖の中では最も甘く,\ スクロースよりもさらに甘い. \\[.2zh] グルコースとは互いに\bm{構造異性体}の関係にある. \\[.2zh] グルコースと同様,\ \beta\,(六員環),\ 鎖式,\ \beta\,(五員環)の構造式をいずれも書けるようにしておく. \\[.2zh] \beta\,(六員環)骨格は,\ 六角形の右端の\ce{C}から\bm{下向きに\ce{C}が枝分かれ}している. \\[.2zh] \beta\,(五員環)骨格は,\ 五角形の右端と左端の\ce{C}からそれぞれ下向き,\ 上向きに\ce{C}が枝分かれしている. \\[.2zh] また,\ 右端の枝分かれした\ce{C}から1位,\ 2位,\ \cdots\ と番号を振る. \\[.2zh] \beta\,(六員環)は,\ まず1位の\ce{C}に,\ 次に2~5位の\ce{C}に\bm{\textcolor{red}{上上下下}}の順で\ce{OH}基をつける(左図). \\[.2zh] \beta\,(五員環)は,\ まず1位と6位の\ce{C}に,\ 次に2~4位の\ce{C}に\bm{\textcolor{red}{上上下}}の順で\ce{OH}基をつける(右図).
実際には,\ \alpha\,\text{-}\,フルクトース(六員環)と\ \alpha\,\text{-}\,フルクトース(五員環)も含め,\ 5形態の平衡である. \\[.2zh] ただし,\ 受験では上に示した3形態の平衡と考えてよい. \\[.2zh] なお,\ 2位の\ce{C}に上向きに\ce{CH2OH},\ 下向きに\ce{OH}が付加したものが\,\alpha\,形である. \\[1zh] 2位の\ce{C}との間のエーテル結合が切れて開環する. \\[.2zh] さらに,\ 2位の\ce{OH}基の\ce{H}がエーテル結合の\ce{O}と結合したのが鎖式構造である. \\[.2zh] この鎖式構造には,\ \alpha\,\text{-}\,ヒドロキシケトンという構造が存在する. \\[.2zh] \alpha\,\text{-}\,ヒドロキシケトンは下のようにアルデヒド基をもつ構造と平衡を作る(ケト-エノール互変異性). \\[.2zh] これらの変化過程や名称は覚なくてよい. \\[.2zh] \bm{鎖式構造中にアルデヒド基をもたないフルクトースも他の単糖と同様に還元性を示す}\hspace{-.2zw}点が重要である. \
ケト形     エノール形(不安定)    ケト形 \\\\
\bm{\alpha\,\text{-}\,ヒドロキシケトン中の\ce{CO}基と6位または5位の\ce{C}に付加した\ce{OH}基が反応すると環式になる.} \\[.2zh] \ce{CO}基と6位の\ce{C}に付加した\ce{OH}基が反応すると六員環ができる. \\[.2zh] \ce{CO}基と5位の\ce{C}に付加した\ce{OH}基が反応すると五員環ができる. \\[.2zh] ガラクトースの立体構造と水溶液中での平衡状態}
ガラクトースは,\ グルコースの4位の\ce{C}の\ce{OH}と\ce{H}を上下で入れ替えただけの単糖である. \\[.2zh] \alpha\,\text{-}\,ガラクトースの場合,\ 1位から\bm{\textcolor{red}{下下上上}}の順で\ce{OH}基をつける. \\[.2zh] \beta\,\text{-}\,ガラクトースの場合,\ 1位から\bm{\textcolor{red}{上下上上}}の順で\ce{OH}基をつける. \\[1zh] \bm{グルコースやガラクトースにおける1位~5位の\ce{C}原子はすべて不斉炭素原子}である. \\[.2zh] よって,\ この構造には\ 2^5=32\,通りの\bm{立体異性体}が存在する可能性がある. \\[.2zh] その中の一部が,\ \alpha\,\text{-}\,グルコース,\ \beta\,\text{-}\,グルコース,\ \alpha\,\text{-}\,ガラクトース,\ \beta\,\text{-}\,ガラクトースである.
{単糖類の性質}{還元性}} フェーリング液を還元}}し,\ 銀鏡反応}}を示す. \\[.7zh] \maru2\ \ 複数のヒドロキシ基をもつため,{水によく溶ける}}.\ 有機溶媒には溶けない. \\[.7zh] \maru3\ \ 無色結晶で甘みがある. アルコール発酵}} \\[.5zh] \ \  単糖は酵素群{チマーゼ}})の作用で{エタノールと二酸化炭素}}に分解される. \\[.2zh] \ \  酒類の製造や,\ 工業的にエタノールを生成する際に利用される. C6H12O6チマーゼ{C2H5OH}}
グルコースやガラクトース水溶液は,\ 鎖式構造中のアルデヒド基\ \ce{- CHO}\ の影響で還元性を示す. \\[.2zh] \text{\scalebox{0.97}[1]{フルクトース水溶液は,\ 鎖式構造中の\ \ce{- COCH2OH}\ が変化した\ \ce{- CH(OH)CHO}\ の影響で還元性を示す.}} \\[1zh] チマーゼは,\ 酵母中の酵素の総称である.
単糖類の分類}炭素原子6個}}} & \textbf{\textcolor{blue}{ヘキソース}}(\textbf{六炭糖}) \\
&  \rei\ \ グルコース,\ フルクトース,\ ガラクトース (すべて\ce{C6H12O6}) \\\hline
炭素原子5個}}} & \textbf{\textcolor{blue}{ペントース}}(\textbf{五炭糖}) \\
&  \rei\ \ リボース(\ce{C5H10O5}),\ \ デオキシリボース(\ce{C5H10O4}{環を作る原子6個}} ピラノース形}}(\textbf{六員環構造})  \rei\ \ $\alpha$\,-\,フルクトース \\\hline
\textbf{\textcolor{red}{環を作る原子5個}}{フラノース形}}(\textbf{五員環構造})  直鎖でアルデヒド基をもつ}}(左図) アルドース}}  \rei\ \ グルコース,\ ガラクトース 直鎖でケトン基をもつ}}(右図){ケトース}}   \rei\ \ フルクトース
ペントース,\ ヘキソースは,\ もちろんギリシャ語\ 5:ペンタ,\ 6:ヘキサ\ に由来する. \\[.2zh] 代表的なペントースであるリボースとデオキシリボースは,\ 核酸の項目で登場する. \\[1zh] 同じ六炭糖でも,\ 六員環をもつ場合と五員環をもつ場合がある.\ その代表がフルクトースである. \\[1zh] 鎖式構造の\ce{C}を一直線に並べると,\ \textcolor{cyan}{アルデヒド基}を持つものと\textcolor{green}{ケトン基}をもつものに分類される. \\[.2zh] \text{\ce{C}*}\,は不斉炭素原子である.