
自由端反射と固定端反射のGeogebraアニメーション
波の自由端反射と固定端反射
自由端反射 媒質が自由に振動できる端での反射.
位相は変化せず,変位の符号は変わらず反射する.
固定端反射 媒質が振動できない端での反射.
位相が逆転し(πずれる),変位は±逆転して反射する.
入射波が正弦波ならば,自由端は腹,固定端は節となる定常波ができる.
実際に目に見えるのは,進行波そのものではなく,入射波と反射波が重なり合って生じた合成波である.
反射しても振幅,波長,速さは変わらないため,正弦波の場合は定常波ができる.
固定端に上向きの入射波が到達すると,ひもは固定端に上向きの力を及ぼす.
作用反作用の法則により,固定端は下向きの力をひもに及ぼし,下向きに変位した反射波が生じる.
その結果,反射波は位相が逆転し,固定端では入射波と反射波の変位が打ち消し合って常に節となる.
一方,自由端では反作用の力が存在しないため,入射波と同じ向きの変位をもつ反射波が生じる.
このため,反射波の位相は逆転せず,自由端では入射波と反射波の変位が強め合って常に腹となる.
図は速さ1.0m/sで壁に向かって進む正弦波の時刻t=0[s]における波形である.
壁が自由端の場合と固定端の場合について,t=1.0,2.0,3.0,4.0[s]における合成波の波形を描け.また,t=4.0s以降の定常波の腹の位置(0≤x≤4.0)を答えよ.
自由端反射の作図手順
① 入射波の透過波を描く.
② 位相は変化しないので,透過波を自由端を軸に線対称移動して反射波を描く.
③ 入射波と反射波を重ね合わせ,自由端が腹となる合成波を描く.
固定端反射の作図手順
① 入射波の透過波を描く.
② 位相が逆転するので,透過波を固定端を軸に点対称移動して反射波を描く.
③ 入射波と反射波を重ね合わせ,固定端が節となる合成波を描く.
(1) y₁(x,t)=A sin2π(t/T-x/λ) [ y(0,t)=A sin(2π/T)tが前提の公式 ]
反射という現象を数学的にとらえるとき,対称点を考えるのが本質的である.
位置xの壁Lに関する対称点はL+(L-x)=2L-xである.
自由端では反射しても変位は変わらないため,位置xでの反射波の変位は,位置2L-xでの入射波の変位と等しい.
よって,入射波のxを2L-xに変えるだけでよく,y₂(x,t)=y₁(2L-x,t)である.
正弦波の式の導出と同様に,時間遅れの考え方でも導ける.
位置xでの時刻tの反射波の変位は,時刻tの(2L-x)/v前のx=0での入射波の変位に等しい.
固定端では,自由端と比べて変位が逆転する点だけが異なるため,自由端反射の式に-を付ければよい.
(2) 自由端 Y(x,t)=A sin2π(t/T-x/λ)+A sin2π(t/T-(2L-x)/λ)
=2A sin2π(t/T-L/λ) cos(2π/λ)(L-x) [ 和積公式を利用した ]
= 振幅項 2A cos(2π/λ)(L-x) 振動項 sin2π(t/T-L/λ)
固定端 Y(x,t)=A sin2π(t/T-x/λ)-A sin2π(t/T-(2L-x)/λ)
=2A cos2π(t/T-L/λ) sin(2π/λ)(L-x) [ 和積公式を利用した ]
= 振幅項 2A sin(2π/λ)(L-x) 振動項 cos2π(t/T-L/λ)
[ sinα+sinβ=2 sin((α+β)/2) cos((α-β)/2) sinα-sinβ=2 cos((α+β)/2) sin((α-β)/2)
(α+β)/2=(2π(t/T-x/λ)+2π(t/T-(2L-x)/λ))/2=2π(t/T-L/λ)
(α-β)/2=(2π(t/T-x/λ)-2π(t/T-(2L-x)/λ))/2=(2π/λ)(L-x)
2変数のf(x),g(t)への分離は,波形と時間変化が独立である(定常波である)ことを意味する.
必要ならば,「定常波の式」の項を復習してほしい. ]
(3) 定常波の変位がすべてのxで0になる時刻を整数nを用いて表せ.
自由端 振動項 sin2π(t/T-L/λ)=0
2π(t/T-L/λ)=nπより t=(L/λ+n/2)T
固定端 振動項 cos2π(t/T-L/λ)=0
2π(t/T-L/λ)=(n+1/2)πより t=(L/λ+n/2+1/4)T
[ g(t)=0のとき,xの値によらずy=0となる.
sinθ=0となるのは θ=…,-2π,-π,0,π,2π,…=nπ (n:整数)
cosθ=0となるのは θ=…,-3/2π,-π/2,0,π/2,3/2π,…=(n+1/2)π (n:整数) ]
(4) L=2λのとき,0≤x≤2λの範囲にできる腹の位置を答えよ.
自由端 L=2λのとき 振幅項 cos(2π/λ)(2λ-x)=±1
(2π/λ)(2λ-x)=nπより x=(4-n/2)λ
∴ 腹の位置 x=0,1/2λ,λ,3/2λ,2λ (n=8,7,6,5,4)
固定端 L=2λのとき 振幅項 sin(2π/λ)(2λ-x)=±1
(2π/λ)(2λ-x)=(n+1/2)πより x=(7/4-n/2)λ
∴ 腹の位置 x=1/4λ,3/4λ,5/4λ,7/4λ (n=3,2,1,0)
[ 振幅項|f(x)|が最大の位置に腹が現れる.
cosθ=±1となるのは θ=…,-2π,-π,0,π,2π,…=nπ (n:整数)
sinθ=±1となるのは θ=…,-3/2π,-π/2,0,π/2,3/2π,…=(n+1/2)π (n:整数)
0≤x≤2λとなるような整数nを考えればよい.
0≤4-n/2≤2より 4≤n≤8 0≤7/4-n/2≤2より -1/2≤n≤7/2 ]
