
音速をV, 音源の速さをv_sとする.
音源が超音速(v_s>V)で進むと, 音波が前方へ到達できず, 音源の前方は直接音が届かない.
一方, 音源の後方(斜め方向を含む領域)には, 過去に放出された無数の球面波が存在する.
ホイヘンスの原理より, これらの波面は共通の接面(包絡面)を作り, その形状は円錐面となる.
この円錐面(マッハコーン)上に現れる急激な圧力変化を伴う波面を衝撃波という.
衝撃波面が観測者を通過するとき, 急激な圧力変化が轟音として感じられる(ソニックブーム).
マッハ数 M 音速に対する速さの比 M=v_s/V (M=1が音速, M>1が超音速)
音速のn倍の速さを「マッハn」と呼ぶ.
マッハ角 θ 進行方向と衝撃波面のなす角. v_sが大きいほどθが小さくなる.
時刻差 Δt の間の移動を考えると sinθ=(波面の半径)/(音源の移動距離)=VΔt/(v_sΔt)=V/v_s=1/M
v_s=Vでは音源が放出したすべての波面が音源の直前に重なり, 極めて高い圧力壁ができる(音の壁).
v_s>Vになる瞬間, 音源は自ら作り出した「音の壁」を突き破る(音速突破).
音速突破後, 音源の斜め後方に置き去りにされた過去の波面が重なり合い, 高圧面(衝撃波面)ができる.
音速をV [m/s]とする. 点音源Sが一直線上を速さv_s [m/s] (v_s>V)で進みながら, 連続的に音波を出している. マッハ数をM=v_s/Vと定義する.
(1) ある時刻における波面の包絡面は円錐面になる. その半頂角をθとするとき, θ, V, v_sの関係を表せ. また, マッハ数Mとθの関係を表せ.
(2) 地上をy=0の直線とし, 戦闘機が高さhを保ってx軸に平行に超音速v_sで飛ぶとする. 戦闘機が時刻t=0に点(0, h)を通過するとき, 地上の原点O(0, 0)にいる観測者に衝撃波が到達する時刻t’をh, V, v_sを用いて表せ.
(1) 波面の包絡線に接する直角三角形について, 時刻差Δt [s]の間の移動を考えると
sinθ=VΔt [m]/(v_sΔt [m])=V/v_s
マッハ数M=v_s/Vを用いると sinθ=V/v_s=1/M
(2) 原点にいる観測者に衝撃波が到達した瞬間の円錐面の半頂角をθ’とする.
また, このときの時刻をt=t’とすると, 戦闘機の位置は(v_s t’, h)
よって tanθ’=h/(v_s t’) より t’=h/(v_s tanθ’)
(1)および0<θ'<π/2より cosθ'=√(1-sin²θ')=√(1-(V/v_s)²)=√(v_s²-V²)/v_s
よって tanθ'=sinθ'/cosθ'=(V/v_s)/(√(v_s²-V²)/v_s)=V/√(v_s²-V²)
ゆえに t'=h/(v_s tanθ')=h√(v_s²-V²)/(v_s V) [s]
(1) すでに上で解説済みである. V, v_sが一定ならばθも一定である点が(2)で重要になる.
(2) (0, 0), (0, h), (v_s t', h)を頂点とする直角三角形に着目すると, t'とtanθ'の関係が導かれる.
(1)より, 半頂角は時刻によらず常に一定(θ=θ')であるから,
三角比の相互関係 sin²θ+cos²θ=1, tanθ=sinθ/cosθ を用いてtanθ'をV, v_sで表せる.
