強め合う点と弱め合う点
2つの波源 S₁ と S₂ は同位相で振動しているとする。
波が観測点 P に到達したときの位相差は、2つの波源から P までの距離の差で決まる。
- 強め合う場合:
S₁P=3λ、S₂P=2λ のとき、距離の差は 1λ である。
波は 同位相で到達するため、P では振幅が最大になる。 - 弱め合う場合:
S₁P=2.5λ、S₂P=2λ のとき、距離の差は 0.5λ である。
波は 逆位相で到達するため、P では振幅が打ち消し合って全く振動しなくなる。
結局、強め合い(腹)と弱め合い(節)は、
波源から観測点までの距離の差が波長λの整数倍か、波長λの半整数倍かによって決まる。
観測点Pで強め合う条件 |S₁P-S₂P|=mλ (m=0, 1, 2, ・・・)
観測点Pで弱め合う条件 |S₁P-S₂P|=(m+1/2)λ (m=0, 1, 2, ・・・)
円形波の干渉
2つの波源から発生した円形波が重なり合うとき、平面上の「強め合う条件 |S₁P-S₂P|=mλ を満たす点」「弱め合う条件 |S₁P-S₂P|=(m+1/2)λ 点」を結ぶと干渉縞(双曲線)が現れる。
数学的に、(2つの定点からの距離の差)=(一定) となるような点の軌跡が双曲線だからである(数学C:2次曲線)。
ただし、(2つの定点からの距離の差)=0 の場合は2定点を結ぶ線分の垂直二等分線となる。
結局、m=0の強め合い(距離の差0)が中央にでき、m=0の弱め合い(距離の差1/2λ)、m=1の強め合い(距離の差λ)、m=1の弱め合い(距離の差3/2λ)、・・・ の干渉縞となる。
波源間の距離が小さいほど、干渉縞の間隔は広がる。
2つの波源を結ぶ線分上は、反対向きに進む同じ波が重なり合うため、定常波ができる。
以下は2つの波源が同位相で振動する場合の図である。
実線は山、破線は谷の波面を表す。
