自由端反射のしくみ
自由端では、壁に相当する境界が固定されておらず、媒質が自由に動ける。
そのため波が境界に到達すると、境界点の変位は最大となり、波は上下の向きを反転せずに折り返す。
入射波と反射波を重ね合わせると、壁上に腹(●)ができ、波形は壁を境に滑らかにつながる。
固定端反射のしくみ
固定端では境界が動かないため、境界点の変位は常にゼロである。
入射波が境界に到達すると、境界条件を満たすために波は上下を反転した形で反射する。
入射波と反射波の重ね合わせにより、壁上では節(○)が生じ、波は必ず壁で振幅がゼロとなる。
自由端と固定端の共通点と相違点
- 自由端:境界は動ける → 反射波は上下反転しない → 壁に腹ができる
- 固定端:境界は動けない → 反射波は上下反転する → 壁に節ができる
- どちらも入射波+反射波の合成により、定常波が形成される
自由端反射の具体例
- ロープの先端に軽い輪を付けて棒に通した状態
→ 先端が横方向に自由に動けるため自由端となり、波はそのままの向きで反射する。 - バネを手で軽く持って揺らし、持っている指を上下に動かせる状態
→ 先端が固定されていないので自由端。振動の向きは反転しない。 - 水面の端が細い浮きになっている場合
→ 浮きが上下に動くため、波は自由端として反射し、浮きの位置で腹ができる。
固定端反射の具体例
- ロープを壁のフックにしっかり結んで固定した場合
→ 先端が動けないので固定端となり、波は上下反転して戻る。 - ギターなど弦楽器の弦の両端
→ 弦の端は動かせないので固定端。振動の節が必ず端にできる。
