ニュートン法(f(x)=0の実数解と累乗根の近似値)

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y=x²-2$上の点$(a_n,\ {a_n}²-2)$における接線が$x$軸と交わる点を$(a_{n+1},\ 0)$とする. このようにして,\ 順に$a₁,\ a₂,\ ,\ a_n$を求める. ただし,\ $a₁>2$とする.  $a_{n+1}$を$a_n$を用いて表せ.  $22$を数学的帰納法で証明する. { }  (.15zw}i.15zw})$n=1}$のとき $a₁>2$より成り立つ. { }  (ii)$n=k}$のとき $a_k>2$であることを仮定する. { }  {(ii)}$n=k+1}$のとき $a_{k+1}-2}=a_k}²+2}{2a_k}-2=a_k}²-22a_k+2}{2a_k}$ { }  {(ii)$n=k+1$のとき} ${a_{k+1}-2}={(a_k-2)²}{2a_k}\ >0} (∵\ a_k>2)$ { }  (.15zw}i.15zw}),\ (ii)より,\ すべての自然数$n$について$a_{n}>2$が成り立つ. { }[B]$a_n-a_{n+1=a_n-a_n}²+2}{2a_n}=a_n}²-2}{2a_n}\ >0}(∵\ a_n>2)$より$a_n>a_{n+1}$ $[A],\ [B]}より {22$の証明] { }$a₁>2$と漸化式の形から,\ すべての$n$について$a_n>0$である. { }よって,\ $a_k>0,\ {2}{a_k}>0$であるから,\ 相加平均と相乗平均の関係}より $a_{k+1}=12(a_k+{2}{a_k)}122{a_k{2}{a_k}=2$} { }仮定$a_k>2$より $a_k{2}{a_k$    ゆえに $a_{k+1}>2$ % [数学的帰納法を使わない$a_n>2$の証明] %{ }$a₁>2$と漸化式の形から,\ すべての$n$について$a_n>0$である. %{ }よって,\ $a_n>0,\ {2}{a_n}>0$であるから,\ 相加平均と相乗平均の関係}より %$a_{n+1}=12(a_n+{2}{a_n)}122{a_n{2}{a_n}=2$} %{ }ここで,\ $a_{n+1}=2$と仮定すると,\ 漸化式から$a_n=2$である. %{ }よって,\ $a_n=a_{n-1}==a₁=2$となるが,\ これは$a₁>2$と矛盾する. %{ }ゆえに,\ $a_{n+1}2$であるから,\ $a_{n+1}>2$である. まず,\ a_n>2を数学的帰納法で証明する. すべてのnについてa_n>2が成り立てば,\ a_{n+1}>2も成り立つことに注意して欲しい. a_{k+1}>2を示すことになるが,\ 不等式の証明の原則に従い,\ a_{k+1}-2>0を示す. a_{k+1}を12(a_k+{2}{a_k})ではなく,\ a_k}²+2}{2a_k}としておくと通分の手間が省ける. a_n>a_{n+1}は,\ 単純に差をとるだけで証明できる. a_n+{2}{a_n}(逆数との和)という形を見ると,\ 相加平均と相乗平均の関係の利用も自然である(別解1). {a>0,\ b>0のとき a+b2{ab}(等号成立a=b)} ただし,\ 適用条件a>0,\ b>0と等号不成立の確認を要するので,\ 結果として本解より面倒になる. 適用条件は実質的にa_n>0だが,\ そもそもこれ自体を数学的帰納法で証明しなければならない. しかし,\ ほぼ明らかなので解答程度の記述で済ませることができる. 等号成立は\ a_k={2}{a_k}\ かつ\ a_k>0,\ つまりa_k=2であるが,\ 仮定a_k>2より成り立たない. 別解のように差をとって証明する方が自然ではあるが,\ 本質的ではない. 問題で不等式が与えられていないと取れない解法だからである. の不等式がどのような発想で導かれるかを理解しているならば,\ むしろ本解が自然である. 元々,\ 本問の最終目標は,\ の{「解けない漸化式で定められたa_nの極限」}である. 本パターンでは,\ まずa_{n+1}=a_n=αとして極限値を予想する.\ α={α²+2}{2α}より,\ α=2である. その後,\ 何とかして\ a_{n+1}-2} ra_n-2}を導き,\ はさみうちするのであった. a_{n+1}-2を計算するとa_n-2が現れるので,\ それ以外の部分が定数r以下であることを示す. のn=k+1のときの結果を利用すると,\ a_{n+1}-2={a_n-2}{2a_n}(a_n-2)\ となる. 通常は{a_n-2}{2a_n} rを示すところだが,\ 本問の場合は問題から{1}{2a_n}<12を示せば済むとわかる. これは,\ a_n>2であることを考慮すると明らかである. 別解で示すとしても,\ の結果a_{k+1}-2={(a_k-2)²}{2a_k}を利用して因数分解すると速い. の{不等式を繰り返し用いた後はさみうち}という決まりきったパターンである. しかし,\ の不等式の右辺が2乗になっているせいで2乗の入れ子になり,\ かなり紛らわしい. 書き方は1つではないので,\ 自分のわかりやすいように書けばよいだろう. 12(a_{n-1}-2)²<12(12)²(a_{n-2}-2)⁴<12(12)²(12)⁴(a_{n-3}-2)^8 a₁となるまでにn-1回繰り返すことになるので,\ a₁-2は2^{n-1}乗になる. 12は,\ 等比数列の和1+2+4++2^{n-1}={1(2^n-1)}{2-1}=2^n-1乗になる. a₁=1.5なので,\ lim[n→∞](a₁-2)^{2^{n-1=0となる. a₁>1+2のとき,\ lim[n→∞](a₁-2)^{2^{n-1=∞となるので,\ 0∞の不定形になってしまう. の誘導を無視し,\ 基本通り{右辺が1乗の不等式を導いてからはさむ}ことも当然できる(別解). そもそも,\ の誘導がなければこちらが正攻法である. a_n>0より{1}{2a_n}>0であるから,\ 12-{1}{2a_n}<12である. 本解とは異なり,\ a₁の値によらずlim[n→∞](12)^{n-1}(a₁-2)=0である. よって,\ 問題でa₁の具体的な値が与えられていない場合,\ 別解の方法が必須となる. の不等式をa₁になるまで繰り返し適用していくと,\ (12)^7が現れる. よって,\ 後は(1.5-2)^8<{1}{10^8},\ つまり1.5-2<{1}{10}を示せばよい. 2>1.4を示すことに帰着するが,\ 記述式試験では21.41のように近似値を使ってはならない. 必ず{不等式で評価}する.\ 根号の大小比較ならば,\ 2乗して考えればよい. 本問は,\ {a₄と2の誤差の程度}を示している. a₄-2<{1}{2^710^8}={1}{12800000000}<{1}{10000000000}={1}{10^{10=0.0000000001 よって,\ a₁=1.5としてa₄まで求めると,\ 2との誤差が10^{-10}より小さくなるとわかる. これは,\ {2の近似値を少なくとも小数第9位まで正確に求められる}ことを意味している. 実際に計算して確かめてみよう.\ まず,\ 正確な近似値が21.4142135623730950}である. a₂=12(a₁+{2}{a₁})=12(32+43)={17}{12}1.41}66 (第2位まで一致) a₃=12(a₂+{2}{a₂})=12({17}{12}+{24}{17})={577}{408}1.41421}56 (第5位まで一致) a₄=12(a₃+{2}{a₃})=12({577}{408}+{816}{577})={665857}{470832}1.41421356237}46 (第11位まで一致) }]$ 本問を図示すると以下のようになる. 接線と${x}$軸との交点が凄まじい勢いで交点${2}$に近づいていく様子が見て取れる. このようにして${f(x)=0}$の実数解の近似値を求める方法をニュートン法という. 特に,\ $f(x)=x²-2$とすると,\ その実数解$2$の近似値が得られるわけである. より一般に,\ $f(x)=x^m-p$とすると,\ その実数解$[m]{p}$の近似値が得られることになる. $y=f(x)$としてさらに一般化してみる. 点$(a_n,\ f(a_n))$における接線の方程式は $y-f(a_n)=f'(a_n)(x-a_n)$ $y=0$とすると $x={a_{n+1}=a_n-{f(a_n)}{f'(a_n)}$ ニュートン法は,\ 適切な条件下ならば,\ 非常に収束が速く優れた手法である. このシンプルで応用性の高いテーマの中に高校数学で重要な要素が凝縮されている. 微分,\ 接線,\ 数学的帰納法,\ 相加相乗,\ 解けない漸化式,\ はさみうちの原理などである. 必然的に入試で頻出するので,\ 背景も含めて学習しておく必要がある. $a_n+{1}{a_n}$に近い形の漸化式やを見かけときは,\ ニュートン法を思い出して欲しい.