放物線の曲率円、縮閉線と伸開線

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y=x²上の2点(a,\ a²),\ (a+h,\ (a+h)²)\ における法線をそれぞれl,\ mとし,\ その$ $交点を{P}とする.$  ${Q}=lim[h→0]{P}を求めよ.$  $点{Q}の軌跡をy=f(x)の形で表し,\ その概形を図示せよ.$ 法線の傾きは 普通に2本の法線(接線と直交する直線)とその交点を求め,\ 極限にとばすだけである. ただし,\ a=0のときは法線がy=ax+bの形で表せないので場合を分ける. 2直線の直交条件は{(2直線の傾きの積)=-1}である. 法線lが求まれば,\ 単純にa→a+hと変えるだけで法線mが得られる. {P}のy座標を求める必要はなく,\ 先に求めた{Q}のx座標を利用して直接{Q}のy座標が求まる. {軌跡上の動点(x,\ y)が媒介変数で表されている場合,\ それを消去すると軌跡の方程式が得られる.} x=-4a³\ より\ a³=-{x}{4}   よって,\ a=-( x4)^{1/3}\ より y=3{x^{2/3{[3]{16 問題から{y軸対称性}があることは容易に推測できる. y軸対称(偶関数)の条件{f(-x)=f(x)}を記述しておけばよい. 実際,\ (-x)^{2/3}=[3]{(-x)²}=[3]{x²}=x^{2/3}\ である. 明らかにlim[x→∞]x^{2/3}=∞\ であることと対称性を考慮して図示する.   曲線上のある点において曲線を最も良く近似する直線は,\ その点における接線}である.   例えば,\ $y=x²上の点(1,\ 1)における最良近似直線は,\ その点の接線y=2x-1である.$   さて,\ 直線(1次式)ではなく円(2次式)で曲線の曲がり具合まで近似することを考える.   曲線上のある点における曲がり具合が,\ どんな円と最も近いかを求めるわけである.   まず,\ 曲線上の2点A,\ Bにおける法線を考える.   すると,\ 交点Pが一意に定まり,\ 同時に交点中心の2点を通る円も一意に定まる}.   さらに,\ BをAに限りなく近づけると,\ 交点Pが1点に収束する.   極限点Qを中心とする円を,\ 曲線上の点Aを最も良く近似する円と考えるのである.   曲線上の2点を通る直線に対し,\ 2点を限りなく近づけると接線になるのと同様である.   最良近似円を曲率円,\ その中心を曲率中心,\ 半径を曲率半径という.   例として,\ $y=x²上の点(1,\ 1)における曲率円を求めてみる.$   なお,\ 曲率半径の逆数を曲率という.   つまり,\ ${(曲率半径が小さい)=(曲率が大きい)=(曲がり具合が大きい)$である.   $y=x²上の点(1,\ 1)における曲率が円と等しいことがわかったわけである.$  縮閉線と伸開線(おまけ知識)   曲率中心(法線の交点の極限)の軌跡を縮閉線,\ また,\ 元の曲線を伸開線という.   縮閉線は,\ すべての法線と接する曲線(包絡線})ととらえることもできる(下図).   さらに別の見方をすることもできる.   縮閉線$x0$に沿って赤糸が巻かれている.\ また,\ $(0,\ 12)$から原点に垂れている.   この糸を伸ばしたままほどいていくとき,\ 元の曲線を描くことになる.   これが元の曲線を伸開線と呼ぶ由来である.   なお,\ 縮閉線は一意に定まるが,\ 伸開線は糸の長さ次第で無数にある.