トレミー(プトレマイオス)の定理(裏技)の三角比による証明と幾何的証明、記述試験で無断使用できる?

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四角形${ABCD}は円に内接しており,\ {AB=a,\ BC=b,\ CD=c,\ DA=d,\ AC=x,}$ ${BD=y}\ とする.$\ このとき,\ トレミーの定理$xy=ac+bd$が成り立つことを示せ. 要は,\ 円に内接する四角形の2本の対角線の長さx,\ yを求めればよく,\ その方法は学習済みである. {2つの三角形に余弦定理を適用し,\ 対角線の長さを2通りに表す}のであった. するとcosが求まり,\ 続いて対角線の長さも求められる. ただし,\ すべて文字なので式の整理が面倒である. 通分後,\ 分子は上手く項を組み合わせることにより,\ 因数分解できる. y²はx²の結果を利用すればよく,\ いちいち計算する必要も記述する必要もない. 図形的な対応を考えると,\ {x²の結果のaをb,\ bをc,\ cをd,\ dをaに変えるとy²になる.} 最後,\ a>0,\ b>0}のときa²=b²a=bを利用する. {幾何的証明} トレミーの定理には,\ 有名な幾何的証明がある. 自分でひらめくのは難しいかもしれないが,\ 極めて簡潔なので習得しておくべきである. 幾何が得意な学生は,\ {長さの積→三角形の相似}と連想して証明にたどり着けるかもしれない. しかし,\ 制限時間がある試験中に幾何的考察するリスクは大きいので,\ 覚えておくのがベストである. {相似な三角形を作り出すため,\ 角度が等しくなるような補助線{AE}を引く.} {2組の相似な三角形に着目して比の式を立て,\ 両辺を足す}ことで導かれる. 円周角の定理より,\ {∠ ACD=∠ ABE,∠ ACB=∠ ADE}である. また,\ {∠ BAC=∠ BAE+∠ EAC=∠ DAC+∠ EAC=∠ EAD}である. { ACDと ABE,\ ABCと AED}は,\ 2角が等しいからそれぞれ相似である. トレミー(プトレマイオス)の定理は,\ 受験数学では裏技扱いになる. よって,\ 「記述試験で無断使用できますか?」という質問が後を絶たない.\ しかし,\ 愚問である. ロピタルの定理(数III})のように証明が高校範囲を超えるならば,\ 質問するのもうなずける. しかし,\ トレミーの定理の幾何的証明は中学範囲であり,\ 知っていれば記述も1分程度で済む. リスクを冒して無断使用せずとも,\ {証明を覚えておき,\ 記述してから使用}すればよいのである. 他の受験生と差別化でき,\ 証明そのものが問われた場合にも対応でき,\ 一石二鳥である. 無断使用できるか否かを心配したり質問したりする暇があったら,\ この幾何的証明を習得してほしい. トレミーの定理を利用できる代表的な問題は,\ 次ページで紹介する.