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1辺の長さ$L$の立方体の容器内に質量$m$\,[kg]の分子が$N$個入っている.\ 図のように座 \\[.2zh] \hspace{.5zw}標軸を取り,\ 1個の分子が速度\scalebox{1}[.97]{$\bekutoru*v=(v_x,\ v_y,\ v_z)$}で$x$軸に垂直な面$S$に完全弾性衝突 \\[.2zh] \hspace{.5zw}したとする.\ 分子1個の衝突で面$S$が受ける力積の大きさは$\fbox{\ (1)\ }$である.\ この分子は \\[.2zh] \hspace{.5zw}時間$t$の間に\ \fbox{\ (2)\ }\ 回だけ面$S$と衝突するから,\ 面$S$がこの分子から受ける時間$t$の \\[.2zh] \hspace{.5zw}間の平均の力の大きさは$\kyouyaku f=\fbox{\ (3)\ }$である.\ 速度$v$の2乗の平均値を$\kyouyaku{v^2}$とすると三 \\[.4zh] \hspace{.5zw}平方の定理より$\kyouyaku{v^2}=\kyouyaku{{v_x}^2}+\kyouyaku{{v_y}^2}+\kyouyaku{{v_z}^2}$であり,\ また運動の等方性より$\kyouyaku{{v_x}^2}=\kyouyaku{{v_y}^2}=\kyouyaku{{v_z}^2}$ \\[.2zh] \hspace{.5zw}である.\ よって,\ 面$S$が$N$個の分子から受ける力の大きさ$F$を$\kyouyaku{v^2}$を用いて表すと \\[.2zh] \hspace{.5zw}$F=\fbox{\ (4)\ }$であるから,\ 立方体の体積を$V$とすると面$S$が受ける圧力は$P=\fbox{\ (5)\ }$ \\[.2zh] \hspace{.5zw}である.\ これを理想気体の状態方程式と比較すると,\ アボガドロ定数$N_{\mathRM A}$を用いて分子 \\[.2zh] \hspace{.5zw}1個の平均の運動エネルギーが$\bunsuu12m\kyouyaku{v^2}=\fbox{\ (6)\ }$と表せる.\ さらに,\ 分子量$M$\,[g]を用い \\[.6zh] \hspace{.5zw}ると,\ 分子の2乗平均速度を$\bm{\ruizyoukon{\kyouyaku{v^2}}}=\fbox{\ (7)\ }$と表せる. \\\\
力積と運動量の関係}より,\ 図の右向きを正とすると分子が面$S$から受ける力積$I$は \\ 面Sが分子から受ける力積の大きさは \bm{2\,mv_x}$} \\\\\\
(2)\ \ 分子は時間$t$で$v_xt$進み,\ 距離2$L$進むごとに面$S$と1回衝突するから $\bm{\bunsuu{v_xt}{2\,L}}$ \\\\\\
(3)\ \ 面$S$が時間$t$の間に分子1個から受ける力積の合計は  $N$個の分子から受ける平均の力の大きさは $PV=\bunsuu13Nm\kyouyaku{v^2}\ をPV=nRTと比較すると
気体分子運動論は,\ \bm{気体の性質を気体分子の熱運動というミクロな視点からとらえる}ものである. \\[.2zh] 流れは完全なワンパターンであり,\ もし出題された場合はサービス問題になる. \\[.2zh] この議論を誘導なしで文字の設定も含めてすべて自分で再現できるようにしておいてほしい. \\[1zh] (1)\ \ まず,\ \bm{分子1個の1回の面との衝突}について考える. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 力積は次の関係を用いて求められるが,\ ベクトル量なので向きに注意が要る. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \bm{(分子が面から受けた力積)=(衝突後の分子の運動量)-(衝突前の分子の運動量)} \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 分子は面から大きさ2mv_xの力積を受けるから,\ 面も分子から大きさ2mv_xの力積を受ける. \\[1zh] (2),\ (3)\ \ 次に,\ \bm{分子1個の時間tの間の面との衝突}について考える. \\[.2zh] \phantom{(1),\ (2)}\ \ x方向に1往復(2L進む)につき1回衝突することに注意して時間tの衝突回数を求める. \\[.2zh] \phantom{(1),\ (2)}\ \ そして,\ 次の計算で時間tの間に面が分子1個から受ける力積が求められる. \\[.2zh] \phantom{(1),\ (2)}\ \ \bm{(1回の衝突で受ける力積)\times(時間tの間の衝突回数)} \\[.2zh] \phantom{(1),\ (2)}\ \ 後は,\ \bm{(力積)=(平均の力)\times(時間)}\ の関係から平均の力を求めることができる. \\[1zh] (4)\ \ \bm{面がN個の分子から受ける力}について考える. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ まず,\ (3)で求めた分子1個から受ける力をN倍する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ さらに,\ 分子の運動は完全に乱雑であると考えられ,\ 特定の方向に偏りはない. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ よって,\ \bm{x,\ y,\ z方向の速度の2乗の平均はすべて\,\bunsuu13\kyouyaku{v^2}}\ になるから,\ これを適用する. \\[1zh] (5)\ \ \bm{(圧力)=(力)\div(面積)}\ で求める.\ さらに,\ L^3\,は体積Vに変換できる. \\[1zh] (6)\ \ アボガドロ定数N_{\mathRM A}\,とは,\ 粒子1\,\text{mol}あたりN_{\mathRM A}\,個を意味する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ つまり\ n\,[\text{mol}]=\bunsuu{N\,[個]}{N_{\mathRM A}\ [個/\text{mol}]}\ であり,\ これを用いて変形する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 気体定数Rもアボガドロ定数N_{\mathRM A}も定数であるから,\ \bunsuu{R}{N_{\mathRM A}}\,も定数である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \bunsuu{R}{N_{\mathRM A}}=k\ とすると,\ \bm{\textcolor{blue}{\bunsuu12m\kyouyaku{v^2}=\bunsuu32kT}}\ となる. \\[.8zh] \phantom{(1)}\ \ 分子の運動エネルギーは,\ \bm{\textcolor{blue}{気体の種類によらず絶対温度だけで決まる}}のである. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \textbf{\textcolor{blue}{ボルツマン定数$\bm{k}$}} k=\bunsuu{R}{N_{\mathRM A}}=\bunsuu{8.31\ [\text{J/(mol$\,・\,$K)}]}{6.02\times10^{23}\ [\text{/mol}]}\kinzi1.38\times10^{-23}\ [\text{J/K}] \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ なお,\ \bm{\textcolor{blue}{分子の運動エネルギーの総和が気体の内部エネルギー}}である. \\[.4zh] \phantom{(1)}\ \ \bunsuu13Nm\kyouyaku{v^2}=nRTから,\ N個の分子を含む気体の内部エネルギーUも求めることができる. ただし,\ これは\bm{単原子分子}理想気体の場合である. \\[.4zh] \phantom{(1)}\ \ \bm{二原子分子}の場合,\ 分子自身の回転運動のエネルギーも加わって\bm{U=\bunsuu52nRT}になる. \\[.6zh] \phantom{(1)}\ \ より一般には,\ 定積モル比熱C_vを用いて\bm{U=nC_vT}と表される(\bm{絶対温度Tに比例}). \\[.4zh] \phantom{(1)}\ \ 単原子分子のときC_v=\bunsuu32R,\ 二原子分子のときC_v=\bunsuu52R\ というわけである. \\[1zh] (7)\ \ mは分子1個の質量,\ アボガドロ定数N_{\mathRM A}\,は1\,\text{mol}あたりの個数である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ よって,\ mN_{\mathRM A}\,は1\,\text{mol}あたりの質量,\ すなわち分子量Mである. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ ただし,\ mは\text{kg}単位,\ Mは\text{g}単位であるから換算を要する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 分子の速度は絶対温度が高いほど速く,\ 分子量が大きいほど遅くなることがわかる.