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図1のように,\ 10.0\,kgの板に乗った60.0\,kgの人が定滑車にかけたひもの一端を引っ \\[.2zh] \hspace{.5zw}張って静止している.\ ひもの質量およびひもと滑車の間の摩擦は無視できるものとし, \\[.2zh] \hspace{.5zw}重力加速度を9.80\,m/s$^2$とする. \\[1zh] \hspace{.5zw}(1)\ \ どれだけの力でひもを引けば板が地面から離れるか. \\[.8zh] \hspace{.5zw}(2)\ \ 図2のように板上に2.00\,kgの体重計を置いたとき,\ どれだけの力でひもを引けば \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ 板が地面から離れるか.\ また,\ そのとき体重計は何kgを示すか. \\[.8zh] \hspace{.5zw}(3)\ \ 図3のように4.00\,kgの動滑車にもひもをかけたとき,\ どれだけの力でひもを引 \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ けば板が地面から離れるか. \\\\
滑車と板と板上の人のつりあい}}}} \\\\[.5zh] (1)\ \ $T$:ひもの張力 \\[.2zh] \scalebox{0.85}[1]{$N$}:人が板から受ける垂直抗力 \\[.2zh] $R$:板が地面から受ける垂直抗力 \\\\
人が受ける力のつりあい \\[.2zh] $\textcolor{magenta}{T+N=60.0\times9.80}$ \\[1zh] 板が受ける力のつりあい \\[.2zh] $\textcolor{cyan}{T+R=N+10.0\times9.80}$ \\[1zh] 地面から離れる条件は$\textcolor{red}{R=0}$であるから \\[.2zh] 力のつりあいの問題の手順(\bm{重力\,→\,接触力\,→\,軸の設定\,→\,分解\,→\,立式})通りに思考していく. \\[1zh] 着目物体は人と板である.\ それぞれ\ 60.0\times9.80,\ 10.0\times9.80\ の重力がはたらく. \\[1zh] 次に人と板が受ける接触力を図示する.\ これを正しく図示できるかが重要である. \\[.2zh] \bm{人は接触している板とひもから接触力を受ける.}\ 板から受ける接触力は垂直抗力Nである. \\[.2zh] ひもから受ける接触力は張力Tである.\ このとき,\ Tの向きが鉛直下向きとする間違いが多い. \\[.2zh] 図示するのは着目物体である人が受ける力である.\ 与える力を図示してはいけない. \\[.2zh] \bm{人がひもに下向きの力を与えるとき,\ ひもが人に与える接触力はその反作用で上向き}である. \\[.2zh] 人をおもりとみなすと直感的に納得しやすい.\ おもりがひもから受ける力がTというわけである. \\[1zh] \bm{板は接触している人と地面とひもから接触力を受ける.}\ 地面からは垂直抗力Rを受ける. \\[.2zh] \bm{板が人から受ける力は,\ 人が板から受ける力(垂直抗力N)の反作用}である. \\[.2zh] 板とひもは図では2箇所で接触しているが,\ わざわざ分割して考える必要はない. \\[.2zh] \bm{板全体として上向きに張力Tを受ける}と考えればよい. \\[1zh] 本問の力はすべて鉛直方向であるから,\ 軸の設定や力の分解は必要ない. \\[1zh] 物理では,\ \bm{(地面から離れる)=(垂直抗力=0)}である.\ このときのTを求めればよい. \\[.2zh] \times\,9.80\ は最後に計算すると楽である.\ 2式の和は,\ 2T=60.0\times9.80+10.0\times9.80=70.0\times9.80 \\[1zh] さて,\ \bm{板を地面から離せるとき,\ 板の質量には限界がある.} \\[.2zh] 例として,\ 板が100\,\text{kg}の場合を想像してみよう. \\[.2zh] 普通の人ではどれだけ力を込めてひもを引いたとしても板は地面から離れないだろう. \\[.2zh] その前に自分自身が板から離れてしまうはずである. \\[.2zh] 要するに,\ \bm{板が地面から離れるには,\ 人が板から離れてはいけない}のである. \\[.2zh] \bm{人が板から離れる条件はN=0}であり,\ このとき\ T=60.0\times9.80\ である. \\[.2zh] つまり,\ \bm{自分にはたらく重力以上の力でひもを引こうとすると自分自身が板から離れてしまう.} \\[.2zh] 腕力のある人でも,\ この状況で自分にはたらく重力より大きい力でひもを引くことは不可能なのだ. \\[.2zh] これは人が板上にいる場合も地面上にいる場合も同じ話である. \\[.2zh] 言い換えると,\ 腕力がなくてもひもにぶらさがって全体重をかければ,\ 最大の力でひもを引ける. \\[.2zh] 結局,\ \bm{板の質量が自分の体重以上の場合,\ 板が地面から離れることはない.}
(2)\ \ $T$:ひもの張力 \\[.2zh] \scalebox{0.85}[1]{$N$}:人が$板+体重計$から受ける垂直抗力 \\[.2zh] $R$:$板+体重計$が地面から受ける垂直抗力 \\\\
人が受ける力のつりあい \\[.2zh] $\textcolor{magenta}{T+N=60.0\times9.80}$ \\[1zh] 板が受ける力のつりあい \\[.2zh] $\textcolor{cyan}{T+R=N+12.0\times9.80}$ \\[1zh] 地面から離れる条件は$\textcolor{red}{R=0}$であるから \\[.2zh] 張力Tは,\ \bm{板と体重計を一体とみなす}と(1)と同じように求められる. \\[1zh] そもそも体重計が示す値(質量)とは,\ \bm{乗せた物体から受ける力を重力加速度で割った値}である. \\[.2zh] 例として,\ 上図でT=0の場合(人が体重計に普通に乗っただけの場合)を考える. \\[.2zh] 人が受ける力のつりあいより,\ 人が体重計から受ける垂直抗力はN=60.0\times9.80\ \text{[N]}\ である. \\[.2zh] そして,\ 体重計はこの反作用を人から受ける.\ 当然その大きさは60.0\times9.80\ \text{[N]}\ である. \\[.2zh] これを重力加速度9.80で割った値である60.0\,[\text{kg}]\ を体重計は示すわけである. \\[.2zh] 結局,\ \bm{垂直抗力Nを求めて重力加速度9.80で割ると体重計が示す値が求まる.}
(3)\ \ $T$:人と滑車の間のひもの張力 \\[.2zh] $S$:板と滑車の間のひもの張力 \\[.2zh] \scalebox{0.85}[1]{$N$}:人が板から受ける垂直抗力 \\[.2zh] $R$:板が地面から受ける垂直抗力 \\\\
人が受ける力のつりあい \\[.2zh] $\textcolor{magenta}{T+N=60.0\times9.80}$ \\[1zh] 板が受ける力のつりあい \\[.2zh] $\textcolor{cyan}{S+R=N+10.0\times9.80}$ \\[1zh] 動滑車が受ける力のつりあい \\[.2zh] \bm{動滑車も着目物体となり,\ つりあいの式を立てる}ことになる. \\[.2zh] 動滑車は重力に加え,\ 人とつながるひもと板とつながるひもから計3つの接触力(張力)を受ける. \\[.2zh] 板が受ける張力がSになることにも注意してつりあいの式を立てて連立する. \\[.2zh] (1)で343\,\text{N}\,要したのに比べると,\ 動滑車の分だけ質量が増えたとしても必要な力は小さくなる.