大学入学共通テスト数学の特徴・目標・難易度・対策・最終確認ポイント

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大学入学共通テスト数学の目標や対策に関して、おおよその一般的なイメージを簡潔に述べておく。もちろん、人それぞれ、様々な条件によって変わってくるので、あくまでもこういうパターンの人が多いという一般的なものととらえてもらいたい。

センター試験の難易度が並ならば、最初のマーク模試から本番までに、200点満点で30~50点ほどアップする受験生が多いようである。また、センター数学は形式そのものが大きな特徴であるが、それ以外では、とにかく時間制限が厳しいということが挙げられる。誘導があるとはいえ、4つの大問をわずか60分で解ききれる人は少ない。それゆえ、取れる点数の理論値は、計算スピードに大きく左右されることになる。高得点を取るには2次試験レベルの能力が必要になるため、その演習も必要だが、その一方、形式が独特であるため、記述で点を取れるからといって必ずしもセンター試験で点を取れるわけではない。センター試験に特化した対策も講じておかなければならない。具体的には、マーク型問題の演習に加え、時間配分の考慮や裏技の確認を行うことになる。

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大学入学共通テストの点数の目安

  • 80~100点 国立大学文系最低限ゾーン
    国立大学を目指して高校生活を送ってきた学生は、最初のマーク模試で普通にこれくらいの点数を取れるはずである。国立大学を目指す文系が、最低でも入っておきたいゾーンである。
  • 100~120点 国立大学理系最低限ゾーン    総合550~600/900点
    国立大学を目指す理系は、最低でもこれくらいの点数が必要である。毎年の平均点もこのゾーンである。高校3年間、「学校で授業を受ける」「基本をおさえる」「過去問などで実戦的演習をする」という3点をしっかりこなしてきていれば、普通に到達できる点数である。このゾーンにも入れない理系は、2次記述試験においてもまともな点は取れないだろう。
  • 120~140点 国立大学理系平均ゾーン    総合600~650/900点
    並レベルの国立大学理系受験生の平均的な点数である。高校3年間、2次記述試験も想定した授業を受けてきていれば、自然に到達できる。センターレベルが一通り網羅完成されており、試験時間内に、難しい問題を捨て、取れるはずのところを確実に取っていけば、難しくはない。このあたりの点数を取る受験生はごろごろいる。中堅以上の国立大学を目指す理系にとっては、2次記述試験も考慮すると、やや心許ない点数である。文系にとっては、並の国立大学においては十分な点数であり、目標である。難関大学を目指す文系は最低ラインである。
  • 140~160点 国立大学理系目標ゾーン    総合650~700/900点
    国立大学を目指す多くの理系受験生の目標となる点数である。単純なセンター試験用の勉強だけでは、このレベルに到達することは難しい。2次記述試験を想定した演習をしっかり積んできていなければならない。センター試験といえども、一部の問題は2次レベルに匹敵する。基本問題を確実に取るのはもちろんのこと、2次レベルの問題にもある程度食らいつけるだけの能力とそれなりの計算スピードが必要である。数学もそこそこ得意な文系は、このあたりの点数を目標にしておけば、難関大学でも文系科目の足を大きく引っ張ることはない。
  • 160~180点 国立大学理系安心ゾーン    総合700~750/900点
    中堅以上の国立大学を目指す理系受験生や難関大学を目指す文系受験生は、160点を超えることが大目標である。基本事項の網羅完成や確かな2次記述試験レベルの問題演習量と、さらに相当の計算スピードがなければ到達することはできない。160点を超えるあたりから点を伸ばすことが急激に難しくなる。2次試験レベルの問題を確実に能力が必要になり、また、仮に問題そのものを解く能力を持っていたとしても、相当の計算スピードがない限り、それを時間内に終えることができなくなるからである。とにかくスピード勝負になる。難関大学を目指す場合は、理論上170~180点を取れる能力を持って挑み、160~170点を確実に確保したいところである。
  • 180~200点 センター数学の最高峰    総合750~/900点
    超難関大学や国立大学医学部を目指す受験生の目標となるゾーンである。圧倒的な総合力を備えていなければ到達することはできない。このレベルの学生は、時間無制限で挑戦したとき、ほぼ満点を取れる能力を持っているだろう。実際にはとにかく時間との戦いになる。難しい年だと200点満点は数百人くらいになるようである。
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大学入学共通テスト直前 最終確認ポイント

本番に強い人と弱い人の考え方の違い

本番に弱い人 「落ち着いていつも通りやれば大丈夫なはずだ」「緊張したり眠れなかったりあせったりしたらヤバイ」「落ち着け落ち着け落ち着け落ち着けあせるなあせるなあせるなあせるな」
↑必死に本心を否定しようとするものの、「落ち着こう」とか考えている時点で既に落ち着ける状況にない。そもそも一発勝負の大一番で普通の人間が早々落ち着けるものではなく、最初から不可能なことをやろうとしていることに無理がある。このように虚勢を張って自滅してしまうのが本番に弱い人の特徴である。

本番に強い人 「うおおおお、心臓バクバクだし、緊張で体が震えるし、夜寝れなかったし、トイレ行きたくなるしマジでやべえwwwww緊張感パネェぞwwwwwこれが本番かwwwww」「いつも通りに落ち着いてやるとか絶対無理wwwwwとりあえず今この状態でできることをやっとくわwwwww」「今超あせってるwwwww本番ってこんなあせるのかwwwww」
↑現状を的確に把握した上で、本心を認め、それを受け入れている。また、本番は気持ちが高ぶるものだと予め想定した上で、それを楽しもうとしている。

結局、良い意味での開き直りができているかである。本番までに自身のやるべきことをしっかりやってきたのであれば、本番は「自信」を持って挑めるだろう。「高得点が取れる」という自信ではない。そんな自信を持てる人はまれだし、また持つのは危険である。「自分はやるべきことをすべてやり思い残すことは何1つない」という自信である。この「自信」が、良い意味での開き直りを可能にするのである。

「模試を含めて今までの最高点を出そう」などと必要以上に気負うのも自滅の危険を伴う。結果そうなればそれに越したことはないが、中々狙い通りにいくものではない。試験結果は、運も含めてそれがその瞬間の自分の実力そのものが反映されたものである。今までの模試の最高点が本当の実力だと勘違いし、後になって「本番で実力を出し切れなかった」「本当なら700取れたのに」などと考えるのはお門違いだ。本番では、「最大限をやらなければいけない」と考えるのではなく、「最小限のことを確実にこなそう」と考えることが大事である。その最小限の積み重ねが結果につながっていくものなのだ。

総合的な注意点

  • 超危険!IAと間違えてIを解いてしまった、化学と間違えて理科総合を解いてしまった、地理Bと間違えて地理Aを解いてしまったなどという人が大勢いるぞ!
    確率が得意な人が、IAの第4問から解き始め、後から前に戻ったらIだったというパターンも・・・こうしたことが自分にも起こりうることを前提に対策しておけ!
    対策例:始まった瞬間にIの部分を折り曲げる癖をつけておけ!自分が解くべき問題の番号に丸をつけておいてもいいぞ!
  • 簡単「かつ」短時間で解ける問題を先に全て片づけろ!(「または」ではない)
    1ヶ所で長時間とどまるな!少しでも行き詰まればとにかく後回しだ!本番は体感時間が予想以上に短い!取るべきところを早急に確保しろ!1つの大問が全て解けても時間がかかっては意味がない!そんな自己満足より総得点が1点でも高くなるよう戦略を立てろ!
  • 数学の時間配分は国語・英語とは違うぞ!
    国語・英語は、正確さを犠牲にしても、全ての問題を解くことを優先した方が総得点が多くなる可能性が高い。しかし、数学は、全ての問題を解くことよりも、正確さを優先するのが基本だ!同じ問題を解くにしても時間に余裕があるときとないときではミスのリスクが違ってくるぞ!簡単だと思った問題ほど早い内に万に一つのミスもしないよう慎重にも慎重を期して計算しろ!取れるはずのところで計算ミスや問題の読み間違えをした場合、他で挽回することは不可能だ!難しくて厄介な問題はスピードを重視して分量を稼げ!メリハリが大事だ!
  • 大問ごとにマークずれしていないか確認しろ!
    途中を後回しにしたら後のマークが全てずれたというケースが多発!
  • 消しゴムや鉛筆の長さを測っておけ!定規の代わりにできるぞ!
    消しゴムに目盛りをつけておくのは禁止。
  • 公式や定理は完璧に暗記してから試験に臨め!
    英語の試験で英単語1個忘れたところで大して影響しないが、数学の試験で公式1個でも忘れようものなら大惨事になりうるぞ!-のつけ忘れ1つでもだ!1つの暗記の不備で10点、20点一気に消えるぞ!
  • 覚えにくい公式などは、試験直前に詰め込んで、始まった瞬間に余白に書け!
    合法カンニングなどと呼ばれる方法だ!
  • 途中ができなくてもその先が関係なく簡単に解ける場合も多いぞ!
    必ず全ての問題に目を通せ!密かに存在する簡単な問題を取り逃すな!
  • 上級者は問題の誘導が逆に邪魔になることがあるぞ!
    センターでは標準ではない解法に誘導されることがある!問題の本質を見極めて誘導を無視しろ!要するに何を求めたいのかを考えて記述試験と思って解答しろ!
  • 穴が1桁の整数ならば、正攻法で解けなくてもそれらしい値を入れておけ!意外に当たるぞ!
    状況次第では2択、3択になるから他教科よりも高確率だ!
  • 2次試験がある人は終了後すぐに頭を切り換えろ!センターが終わってからが勝負だ!
    2次の勉強いつ始めるか!終わったらすぐでしょ!!!!!!

数IAの注意点

  • 代表的な平方根の近似値を覚えておけ!
    シビアな判断が求められることもあるので、1<√2<2だけでは不十分だ!√3もそうだし。
     √2≒1.4、√3≒1.7、√5≒2.2、√6≒2.4、√7≒2.6、√10≒3.1
  • 命題の真偽は「常に」を補って考えろ!「pならば常にq」であってはじめて「pならばq」が真といえるぞ!
    「pならばたま~にq」だけでは真とはいえないぞ!
  • 「pならばq」の反例は、「pを満たすがqを満たさないもの」だ!
    pすら満たさないものは論外だ!
  • 整数に関する命題は要素を具体的に書き出して包含関係を考えろ!
    n=3kなどと難しく考える必要はないぞ!
  • 「素数」「合成数」「有理数」「無理数」の定義を確認しておけ!「1」は素数じゃないぞ!
    素数  1とその数自身の2つの約数をもつ自然数。1の約数は1だけであるから、1は素数ではない。
    合成数 1とその数自身以外の約数をもつ自然数。結局、1は素数でも合成数でもない。
    有理数 (整数)/(整数)という分数で表される数。循環する小数は有理数。
    無理数 有理数ではない実数。πや√2などの循環しない小数が無理数。
  • 「3で割って1余る自然数」には「1」も含まれるぞ!
    × 4,7,10・・・
    ○ 1,4,7,10・・・
  • 図形問題は最悪座標平面を設定してゴリ押ししろ!
    実力者だけの最終奥義だ!
  • 図形問題は正確に図を描けば答えを予想できるぞ!
    目分量で予想してそれらしい値を入れておけ!最初に描いた図が計算結果と矛盾したら図を書き直せ!直角すら正確に図示していない人がいるが論外だ!

数IIBの注意点

  • 大問1と大問2は30点、大問3と大問4は20点という点数配分を意識して時間配分しろ!
    前半は1つの穴に対する配点が大きいぞ!特に穴の数が少ない微分・積分でのミスは大ダメージだ!
  • 早い段階で数列・ベクトルの問題にも目を通せ!簡単かもしれないぞ!
    前半に時間を掛けすぎて数列・ベクトルが簡単なのに時間がなくなったという人が多い!
  • 三角関数は裏技が使える可能性が高い分野だ!
    式変形に困ったら裏技だ!最大・最小に困ったら裏技だ!
  • 指数関数・対数関数は裏技が使える可能性が高い分野だ!
    指数・対数が絡めば、穴に入りうる値が限られるぞ!正攻法が無理でも裏技的に埋められる可能性がある!周りの状況をよく見て入りうる値を考えろ!
  • 指数関数・対数関数のグラフの形を暗記しておけ!常識だ!
    底が1より大きいか小さいかでグラフが違うぞ!
  • 変数の係数を1にしないと平行移動量が判断できないぞ!
    例 sin(2θ-60°)
    × sin2θをθ方向に+60°平行移動
    ○ sin2(θ-30°)より、sin2θをθ方向に+30°平行移動
  • 真数条件と底の条件の違いは大丈夫か?
    真数条件「(真数)>0」   底の条件「(底)>0かつ(底)≠1」
  • 代表的な常用対数の近似値を覚えておけ!
    いざというとき役立つぞ!底の変換公式を使えばlog23などの近似値も求められる!
    ところでlog105=log1010/2=log1010-log102=1-log102は大丈夫?
    log102≒0.3010 (おっさんれいとう)
    log103≒0.4771 (しなない)
    log107≒0.8451 (はよこい)
  • 面積は裏技公式が使えないかをまず確認しろ!
    2次の係数を掛けるのを忘れるな!裏技が使えない場合もできる限り楽な計算で求められるよう工夫しろ!
  • 数列は裏技が使える可能性が高い分野だ!
    n=1,2のときを考えろ!穴の数が2つくらいなら容易に特定できる!
  • ベクトルも正確に図を描けば、答えを予想できる可能性があるぞ!
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マーク試験に特化した筆記用具を使うと点数アップするかも?管理人もマーク用鉛筆を使ってセンター試験やTOEICなどを受験しました。塗りやすいので時間制限が厳しい上にマーク数が100を超えるセンター数学では有効ですよ(`・ω・´)

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