空間における直線の方程式 (x-x₀)/l=(y-y₀)/m=(z-z₀)/n

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space-line

直線の表現は,\ ベクトルを用いると平面でも空間でも同じである.
1点と傾き(方向ベクトル$d$)が与えられたときの直線のベクトル方程式が次であった. に平行な直線のベクトル方程式$}
ベクトル表示の式に対し,\ ${
平面の座標や成分を代入} & → 平面における方程式}
空間の座標や成分を代入} & → 空間における方程式}
}$になる.
比較のため,\ まず平面における方程式を求めてみる.
$直線上の任意の点を\ p=(x,\ y),通る1点を
まず,\ 直線の媒介変数表示が得られる.
$lもm$も0でないとき,\ のように$xとy$について対称な形(一般形)に変形できる.
は,\ 見慣れている点$(x₀,\ y₀)$を通る傾き$ ml$の直線の式(基本形)に他ならない.
$それでは,\ 空間における直線の方程式を求めてみよう.$
.95}{$直線上の任意の点を\ p=(x,\ y,\ z),通る1点を\ a=(x₀,\ y₀,\ z₀),
このようにして,\ 空間における直線の媒介変数表示と一般形を得ることができる.
${点(x₀,\ y₀,\ z₀)を通り,\ d=(l,\ m,\ n)に平行な直線の方程式$}{座標平面における直線の方程式は,\ 座標空間では平面の方程式になる}のであった.
よって,\ ${x-x₀}{l}={y-y₀}{m},\ つまり\ y-y₀= ml(x-x₀)$は空間では平面を表す.
同様に,\ ${y-y₀}{m}={z-z₀}{n},\ つまり\ z-z₀= nm(y-y₀)$も平面を表す.
つまり,\ は平面と平面の交線として直線を表現している式なのである.
次の条件を満たす直線の方程式を求めよ.
点A$(2,\ -1,\ 3)$を通り,\ $d=(4,\ 5,\ 2)$に平行な直線.
2点A$(-2,\ 0,\ 3)$,\ B$(2,\ 2,\ 1)$を通る直線.\ この直線と$xy$平面との交点も求めよ.
2点A$(1,\ 2,\ 0)$,\ B$(1,\ -2,\ 3)$を通る直線.
点A$(3,\ 1,\ -2)$を通り,\ $z$軸に平行な直線.
原点をO,\ 直線上の点をP$(x,\ y,\ z)$とすると,
方向ベクトルは
原点をO,\ 直線上の点をP$(x,\ y,\ z)$とすると
通る1点(x₀,\ y₀,\ z₀)と方向ベクトル\ d=(l,\ m,\ n)\ が与えられたならば公式代入で済む.
応用性を考えると,\ むしろ媒介変数表示から求める別解が重要である.
{2点が与えられた場合,\ 方向ベクトル\ AB}\ を求めると,\ 1点と方向ベクトルの場合に帰着}する.
AB}=OB}-OA}\ である.
{直線の方程式における方向ベクトルで重要なのは向きのみ}であり,\ その大きさは自由である.
よって,\ AB}=(4,\ 2,\ -2)\ は\ d=(2,\ 1,\ -1)\ として代入した(実数倍で向きは変わらない).
実際,\ {x+2}{4}= y2={z-3}{-2}\ と\ {x+2}{2}=y={z-3}{-1}\ は同じ式である.
xy平面を式で表すと平面z=0であるから,\ これを代入するとxy平面との交点が求まる.
媒介変数表示にした場合,\ tの値を求めてから交点を求めることもできる.
上の解答では,\ 点{A}を通り,\ 方向ベクトル\ AB}\ の直線と考えて立式した.
これは絶対ではなく,\ 通る1点を{B}にしたり,\ 方向ベクトル\ BA}\ として求めることもできる.
例えば\ 点{B}(2,\ 2,\ 1),\ BA}=2(-2,\ -1,\ 1)\ とすると,\ {x-2}{-2}={y-2}{-1}=z-1\ となる.
これも同じ直線を表す方程式である.\ 実際,\ z=0としてxy平面との交点(4,\ 3,\ 0)が求まる.
このように,\ {空間の直線の表現は1通りではない.}
と同様に方向ベクトルを求めると,\ その成分に0が含まれることがわかる.
しかし,\ 公式は\ d=(l,\ m,\ n)\ において\ l0,\ m0,\ n0\ でなければ使えない.
この場合,\ {媒介変数表示}に立ち戻って考えるとよい.
本問では,\ tが含まれないx=1を分離して答えることになる.
「z軸に平行」は,\ 「方向ベクトル(0,\ 0,\ 1)」を意味する.\ 別に(0,\ 0,\ -1)などでもよい.
媒介変数表示にすると (x,\ y,\ z)=(3,\ 1,\ -2)+t(0,\ 0,\ 1)=(3,\ 1,\ -2+t)
ここで,\ 媒介変数tはすべての実数値をとるから,\ {z=-2+t\ もすべての実数値をとる}.
言い換えるとzは何ら制限されない(任意)ということであり,\ この場合z=は必要はない.
$に平行な直線$l$と,\ 点B$(6,\ 1,\ 1)$を通り,
$e=(-2,\ 1,\ -1)$に平行な直線$m$が交わることを示し,\ 交点を求めよ.
2点A$(1,\ 0,\ -2)$,\ B$(3,\ -1,\ 1)$を通る直線$l$と2点C$(-2,\ 0,\ 0)$,\ D$(0,\ 1,\ -1)$を
通る直線$m$がねじれの位置にあることを示せ.
$\ を満たす実数$s,\ t$が存在する}とき2直線は交わる.
{  }$,\ よりs=-2,\ t=2}   これはも満たす}.$
$ {2直線は点(2,\ 3,\ -1)で交わる.}$}
直線$l$の方向ベクトルは $AB}=(3,\ -1,\ 1)-(1,\ 0,\ -2)=(2,\ -1,\ 3)$
{  }原点をO,\ 直線$l$上の点を
{  }直線$m$の方向ベクトルは $CD}=(0,\ 1,\ -1)-(-2,\ 0,\ 0)=(2,\ 1,\ -1)$
{  }原点をO,\ 直線$m$上の点を
$\ を満たす実数$s,\ t$が存在する}とき2直線は交わる.
{  }$,\ よりs=-34,\ t=34}   これはを満たさない}.$
$ {2直線は平行ではなく,\ 交点をもたないからねじれの位置にある.}$}
$[l}
x-4={y-1}{-1}={z-5}{3}\ と\ {x-6}{-2}=y-1={z-1}{-1}\ を連立してもよいが,\ わかりにくい.
媒介変数表示の利用が効果的である.
方程式を作成することで,\ {図形の存在条件は実数解の存在条件に帰着}する.
{交点の存在は,\ 実数s,\ tの存在に等しい}わけである.
2式から2文字が定まるが,\ 式は3つあるから残りの式も満たすかの確認を要する.
交点は,\ s=-2またはt=2を(x,\ y,\ z)に代入すると求められる.
空間における2直線の位置関係は3パターンある.
{1点で交わる(同一平面上にある)}
{平行(同一平面上にある)}
{ねじれの位置(同一平面上にない
よって,\ 平行でないかつ交点をもたないことを示せば,\ ねじれの位置にあるといえる.
方向ベクトル\ AB}\ と\ CD}\ が実数倍の関係にないから,\ 2直線は平行ではない.
後は,\ {実数s,\ tが存在しない}ことを示せばよい.