変数変換によるベクトルの和の大きさの最大・最小

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ベクトル$a,\ b$が$2a+b}=1,\ a-2b}=1$を満たすとき,\ $a+b}$の最大値と
最小値を求めよ.
{変数変換によるベクトルの和の大きさの最大・最小
{○a+△b=□のような形の条件式が2つある場合,\ 文字置換(変数変換)が有効である.}
その利点は,\ {2つの条件式を別々に考慮できるようになる}ということである.
変換前の形では,\ 2変数a,\ bが両方の条件式に影響される.
しかし,\ 変数変換後は,\ 2変数u,\ vはそれぞれ一方の条件式からのみ影響される.
変数変換により,\ 条件がわかりやすくなるわけである.
後は,\ 基本通り{ベクトルの大きさを2乗して扱う.}
u}=1,\ v}=1を利用すると,\ 結局内積uvの最大最小に帰着する.
ここで,\ 前項で証明した\ -u}v}uvu}v}\ を利用する.
内積の定義uv=u}v}cosθ\ と-1cosθ1より,\ ほぼ自明の不等式である.
再びu}=1,\ v}=1を利用すると,\ 最大最小を求めることができる.
係数負(-6)より,\ {uv=1のとき最小,\ uv=-1のとき最大}となることに注意する.
さて,\ 不等式\ 25a+b}が示されたからといって,\ 直ちに最小値が25と判断してはならない.
仮に最小値が35であっても,\ 25以上である.
25a+b}\ の等号が成立して初めて,\ 最小値が25といえる.\ よって,\ {等号成立条件を確認する.}
uv=1のとき,\ cosθ=1である.
このときθ=0°である.\ つまり,\ {uとvは同じ向き}である.
さらに,\ u}=1,\ v}=1も考慮すると,\ u=v\ となる.
よって,\ 2a+b=a-2b\ より,\ a=-3b\ のとき等号が成立する.
uv=-1のときcosθ=-1,\ つまりθ=180°より{uとvは逆向き}である.
よって,\ u=-v\ なので,\ 2a+b=-(a-2b)\ より,\ 3a=b\ のとき等号が成立する.
前項で示したもう1つの不等式\ a}-b}a+b}a}+b}\ の利用も可能ではある.
ただし,\ どちらにせよ最初の発想が必要で,\ 無断使用してよいかがかなり微妙なので推奨できない.