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次の無限級数の収束,\ 発散を調べよ. \\[.2zh] \hspace{.5zw}ただし,\ 上に有界な単調増加数列は収束することを用いてよい. \無限級数$\bm{\retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n^s},\ \ \retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n\kaizyou}}$の収束と発散}}}} \\\\[1zh] 絶対に暗記が必要というわけではないが,\ 以下を知識としてもっておくことが望ましい. \\[.2zh] 本項では,\ その証明方法を学習する.\ なお,\ 後に数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}の積分で統一的な方法を学習する. \\[.8zh] {収束する} \}{発散する}
S_n\}は単調増加で,\ S_n<2であるから,\ \bm{無限級数\retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n^2}\,は収束する.}$} \\\\[1zh] \centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l} 証明の鍵となるのは,\ 「上に有界な単調増加数列は収束する」という定理である. \\[.2zh] この定理の証明は大学の範囲であり,\ 高校生は自明としてよい. \\[.2zh] S_1=\bunsuu{1}{1^2},\ S_2=\bunsuu{1}{1^2}+\bunsuu{1}{2^2},\ S_3=\bunsuu{1}{1^2}+\bunsuu{1}{2^2}+\bunsuu{1}{3^2},\ \cdots\cdots\,が単調増加することはほぼ明らかである. \\[.8zh] 一応確認すると,\ S_{n+1}-S_n=a_{n+1}=\bunsuu{1}{(n+1)^2}>0である. \\[.8zh] よって,\ 後は\bm{上に有界(S_n\leqq Mとなる定数Mが存在する)}を示せば,\ 収束を示せたことになる. \\[.2zh] S_1<S_2<\cdots<S_n<S_{n+1}<\cdots\leqq Mならば,\ 発散せずどこかに収束するはずというわけである. \\[1zh] さて,\ 上に有界であることを示すため,\ \bm{S_n\,よりも大きく,\ nの式で表せる和で上から評価する.} \\[.2zh] nの式で表せる分数の和といえば,\ 階差の形にして書き出すと間が消えるタイプのものである. \\[.2zh]となり,\ 上から評価できる. \\[.8zh] n=1のとき逆数をとることができないので,\ n\geqq2とした. \\[.2zh] 部分分数分解は,\ 公式\ \bunsuu{1}{ab}=\bunsuu{1}{b-a}\left(\bunsuu1a-\bunsuu1b\right)を用いるとよい. \\[.8zh] S_n<2-\bunsuu1n<2より,\ \dlim{n\to\infty}S_n\,が収束する,\ つまり無限級数\retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n^2}\,が収束することが示される. \\[.8zh] ちなみに,\ \retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n^2}=\bunsuu{\pi^2}{6}\kinzi1.64\,であることが知られている(バーゼル問題).
\centerline{$\therefore\ \ \{S_n\}は単調増加で,\ S_n<\bunsuu54\,であるから,\ \bm{無限級数\retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n^3}\,は収束する.}$} \\\\[1zh] \centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l} (1)と同様の発想で収束を示すことができる. \\[.2zh] 分母が3つの因数の積の場合,\ 公式\ \bunsuu{1}{abc}=\bunsuu{1}{c-a}\left(\bunsuu1a-\bunsuu1c\right)を用いて部分分数分解するとよい. \\[.6zh] 一般に,\ \zeta(s)=\retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n^s}\,を\,\zeta\,(ゼータ)関数という. \\[.8zh] \zeta(偶数)は簡潔に表せることが知られているが,\ \zeta(奇数)は未だに簡潔に表すことができていない. \end{array}}\right]$}} \\\\\\\\  
s\geqq1であるから,\ \retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu1n\,は発散する.\ よって,\ \bm{S_n\,よりも小さく,\ 発散する和で下から評価する.} \\[.8zh] 初見だと驚くかもしれないが,\ 非常に有名な方法なので是非習得しておいてほしい. \\[.2zh] \bm{第2^m\,項までの部分和}を考える.\ 例えば,\ S_{2^1}=\bunsuu11+\bunsuu12,\ \ S_{2^2}=\bunsuu11+\bunsuu12+\bunsuu13+\bunsuu14\ である. \\[.8zh] S_{2^m}\,を,\ 分母が2^1,\ 2^2,\ 2^3,\ \cdots\ となる項で分割する.\ 群数列をイメージするとよいだろう. \\[.2zh] すると,\ 各群の項数が1個,\ 2個,\ 4個,\ \cdots,\ 2^{m-1}個のようになる. \\[.2zh] そして,\ \bm{各群の項をすべて\,\bunsuu{1}{2^1},\ \bunsuu{1}{2^2},\ \bunsuu{1}{2^3},\ \cdots,\ \bunsuu{1}{2^{m}}\,に置き換えたもので下から評価する.} \\[.8zh] 括弧内の和はすべて\,\bunsuu12\,となり,\ 分母が2^1\,の群から2^m\,の群までm群あるから,\ 和が\,\bunsuu m2\,となる. \\[.6zh] わかりにくければ,\ m=2,\ 3,\ 4,\ \cdots\,などとして具体的に考えることにより,\ 自分で納得してほしい. \\[.2zh] 追い出しの原理より,\ \dlim{m\to\infty}S_{2^m}=\infty,\ つまり無限級数\retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu1n\,が無限大に発散することが示される. \\\\
以前,\ 「\retuwa{n=1}{\infty}a_n\,が収束する\ \Longrightarrow\ \dlim{n\to\infty}a_n=0\,」は成り立つが,\ 逆は成り立たないことを学習した. \\[.8zh] この逆の代表的な反例が,\ 調和級数とも呼ばれる本問の無限級数である. \\[.2zh] \dlim{n\to\infty}a_n=\dlim{n\to\infty}\bunsuu1n=0であるにもかかわらず\retuwa{n=1}{\infty}a_n\,が発散することは,\ 時として直感に反する. \\[.8zh] nが大きくなると加える数が\,\bunsuu{1}{10000000000}\,のように極めて小さくなっていくが,\ 発散するのである.
本解の証明は,\ 追い出しの原理の代表例として以前にも紹介したものである. \\[.2zh]を利用し,\ 下から評価する. \\[1zh] n=1のとき\ruizyoukon 1=\ruizyoukon n\,であるから,\ >ではなく\geqq としている. \\[.2zh] (3)の結果を既知とするならば,\ 別解の方法も可能になる.
\end{array}}\right]$}} \\\\\\\\
(5)\ \ $n\geqq3$のとき {S_n\}は単調増加で,\ S_n<2であるから,\ \bm{無限級数\retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n\kaizyou}\,は収束する.}$} \\\\\\
\centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l}
(1)~(4)とは異なる無限級数であるが,\ 類似のものとしてまとめて学習するのが効果的である. \\[.2zh] まず,\ n\kaizyou\,は,\ 最後の1を無視するとn-1個の整数の積である. \\[.2zh] このn-1個の整数をすべて最小数2で置き換えることで,\ \bm{n\kaizyou\,を2の累乗で評価}できる. \\[.2zh] よって,\ \bunsuu{1}{2\kaizyou}=\bunsuu{1}{2^1},\ \bunsuu{1}{3\kaizyou}<\bunsuu{1}{2^2},\ \bunsuu{1}{4\kaizyou}<\bunsuu{1}{2^3},\ \cdots\cdots\ のようになる. \\[.8zh] この不等式を利用すると,\ \bm{部分和S_n\,を等比数列の和で上から評価できる}わけである. \\[1zh] 数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}の微分では,\ 自然対数の底eについて学習する. \\[.2zh] これは,\ 円周率\,\pi\,と並んで数学的に重要な定数の1つであり,\ 次のことが知られている. \\[.2zh] このような背景があるので,\ 実は\retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n\kaizyou}\,は\retuwa{n=1}{\infty}\bunsuu{1}{n^s}\,以上に重要な無限級数である.