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自然数$n$に対して,\ $a_n,\ b_n$を$(3+2\ruizyoukon2\,)^n=a_n+b_n\ruizyoukon2$を満たす自然数として定める. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ $a_{n+1},\ b_{n+1}$を$a_n,\ b_n$を用いて表せ. \\[.8zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ $(3-2\ruizyoukon2\,)^n=a_n-b_n\ruizyoukon2$が成り立つことを示せ. \\[.8zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ ${a_n}^2-2{b_n}^2$の値を求めよ. \\[.8zh] \hspace{.5zw} (4)\ \ $\zettaiti{\bunsuu{\vphantom{b}a_{n+1}}{b_{n+1}}-\ruizyoukon2\,}<r\,\zettaiti{\bunsuu{\vphantom{b}a_n}{b_n}-\ruizyoukon2\,}\ (0<r<1)$を満たす定数$r$があることを示せ. \\[1.5zh] \hspace{.5zw} (5)\ \ $\dlim{n\to\infty}\bunsuu{a_n}{b_n}$を求めよ. \\ \\[-.8zh] \hline \end{tabular} \\\\ \centerline{{\Large \textbf{\textcolor{blue}{ペル方程式で定められた数列の極限}}}} \\\\[.5zh]  不定方程式$\bm{\textcolor{red}{x^2-Dy^2=\pm\,1}}\ (x,\ y:整数,\ D:平方数でない自然数)$を\textbf{\textcolor{blue}{ペル方程式}}という. \\[.2zh]  様々な性質をもつ重要な方程式であり,\ 高校数学では主に整数・数列・極限分野で登場する. \\[.2zh]  ゴリ押しも可能ではあるが,\ 特有の解法があるので習得しておくと楽になる. \\\\\\  (1)\ \ $\textcolor{cyan}{a_{n+1}}+\textcolor{magenta}{b_{n+1}}\ruizyoukon2=(3+2\ruizyoukon2\,)^{n+1}=(3+2\ruizyoukon2\,)(3+2\ruizyoukon2\,)^n$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $\phantom{a_{n+1}+b_{n+1}\ruizyoukon2}=(3+2\ruizyoukon2\,)(a_n+b_n\ruizyoukon2\,)=(\textcolor{cyan}{3a_n+4b_n})+(\textcolor{magenta}{2a_n+3b_n})\ruizyoukon2$ \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \ ここで,\ \,\textcolor{green}{\underline{\textcolor{black}{$a_{n+1},\ b_{n+1},\ a_n,\ b_n$は自然数(有理数),\ $\ruizyoukon2$は無理数である.}}} \\[1zh] \centerline{$\therefore\ \ \bm{a_{n+1}=3a_n+4b_n, b_{n+1}=2a_n+3b_n}$} \\\\ \centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l} a_{n+1}+b_{n+1}\ruizyoukon2\,をうまく変形し,\ 次を適用すると連立漸化式が導かれる.\ パターン暗記が望ましい. \\[.2zh] \bm{「\,a,\ b,\ c,\ dが有理数,\ \ruizyoukon k\,が無理数のとき a+b\ruizyoukon k=c+d\ruizyoukon k\ \Longleftrightarrow\ a=c\ かつ\ b=d\,」} \\[.2zh] このとき,\ 適用条件を確認したことの記述(下線部)がなければ減点対象になる. \end{array}}\right]$}} \\\\\\\\  (2)\ \ [1]\ \ $\textcolor{ForestGreen}{n=1}$のとき $a_1=3,\ b_1=2$であるから,\ $(左辺)=(右辺)$となり成り立つ. \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \ [2]\ \ $\textcolor{ForestGreen}{n=k}$のとき $(3-2\ruizyoukon2\,)^k=a_k-b_k\ruizyoukon2$が成り立つことを仮定する. \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \ \phantom{[1]}\ \ $\textcolor{ForestGreen}{n=k+1}$のとき $\textcolor{red}{(3-2\ruizyoukon2\,)^{k+1}}=(3-2\ruizyoukon2\,)(3-2\ruizyoukon2\,)^k$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ \phantom{[1]}\ \ \phantom{$n=k+1$のとき} $\phantom{(3-2\ruizyoukon2\,)^{k+1}}=(3-2\ruizyoukon2\,)(a_k-b_k\ruizyoukon2\,)$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ \phantom{[1]}\ \ \phantom{$n=k+1$のとき} $\phantom{(3-2\ruizyoukon2\,)^{k+1}}=(\textcolor{cyan}{3a_k+4b_k})-(\textcolor{magenta}{2a_k+3b_k})\ruizyoukon2$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ \phantom{[1]}\ \ \phantom{$n=k+1$のとき} $\phantom{(3-2\ruizyoukon2\,)^{k+1}}=\textcolor{red}{a_{k+1}-b_{k+1}\ruizyoukon2}$ \\\\ \phantom{ (1)}\ \ [1],\ [2]\,より,\ 全ての自然数$n$について$(3-2\ruizyoukon2\,)^n=a_n-b_n\ruizyoukon2$が成り立つ. \\\\ \centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l} \bm{共役な等式が成り立つことを数学的帰納法で証明できる}ことも覚えておきたい. \\[.2zh] n=k+1の証明は,\ (1)と同様の変形をしていけば済む. \end{array}}\right]$}} \\\\\\[1zh]  (3)\ \ $\bm{{a_n}^2-2{b_n}^2}=\textcolor{red}{(a_n+b_n\ruizyoukon2\,)(a_n-b_n\ruizyoukon2\,)}=(3+2\ruizyoukon2\,)^n(3-2\ruizyoukon2\,)^n$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $\phantom{\bm{{a_n}^2-2{b_n}^2}}=\{(3+2\ruizyoukon2\,)(3-2\ruizyoukon2\,)\}^n=(9-8)^n=\bm{1}$ \\\\  \betu\ \ $\textcolor{red}{{a_{n+1}}^2-2{b_{n+1}}^2}=(3a_n+4b_n)^2-2(2a_n+3b_n)^2=\textcolor{red}{{a_n}^2-2{b_n}^2}$ より \\[.6zh] \phantom{ (1)}\ \ $\bm{{a_n}^2-2{b_n}^2}={a_{n-1}}^2-2{b_{n-1}}^2=\cdots\cdots={a_1}^2-2{b_1}^2=9-2\cdot2^2=\bm{1}$ \\\\ \end{minipage} \\\\ \hlineb \end{tabular} \begin{tabular}{Ip{14cm}I} \hlineb \\ \begin{minipage}{14cm}   \\ \centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l} (2)の等式が証明済みならば,\ 本解がベストである.\ 一方,\ (2)の等式を使わない解法もある(別解). \\[.2zh] \bm{{a_n}^2-2{b_n}^2=c_n\ の漸化式を作成を目指し,\ c_{n+1}={a_{n+1}}^2-2{b_{n+1}}^2\,を計算する.} \\[.2zh] 本問の場合,\ c_{n+1}=c_n\,が導かれるので繰り返し適用すると,\ 結局c_n=c_1\,である. \\[.2zh] 公比1の等比数列型漸化式と考え,\ c_n=c_1\cdot 1^{n-1}=c_1\,としてもよい.\ なお,\ a_1=3,\ b_1=2である. \\[.2zh] 本問から,\ \bm{自然数a_n,\ b_n\,はペル方程式x^2-2y^2=1の整数解である}ことがわかる. \\[1zh] 別解の方法で{a_n}^2-2{b_n}^2=1を導き,\ この等式から逆に(2)を示す筋もある. \\[.2zh] {a_n}^2-2{b_n}^2=1 より (a_n+b_n\ruizyoukon2\,)(a_n-b_n\ruizyoukon2\,)=1 \\[.2zh] よって a_n-b_n\ruizyoukon2=\bunsuu{1} (有理化) \
(4)と(5)を見た時点で\bm{解けない漸化式で定まる数列の極限のパターン}であることに気付きたい. \\[.2zh] すると,\ 自然な流れで(4)と(5)が解けるはずである. \\[.2zh] 一見して「これも\,\bunsuu{a_{n+1}}{b_{n+1}}-\ruizyoukon2\,を変形すると\,\bunsuu{a_{n}}{b_{n}}-\ruizyoukon2\,が分離できるんだろうな」と思えただろうか. \\[.8zh] 思えたならば,\ 解けない漸化式のパターンをきちんと習得できていたということである. \\[.2zh] 当ページの解説はパターンを習得済みであることが前提なので,\ 未習得ならば確認してきてほしい. \\[.2zh] やや難しい因数分解やb_n\,をくくり出す必要があるが,\ \bunsuu{a_n}{b_n}-\ruizyoukon2\,の分離を目指せば自然に変形できる. \\[.5zh] 後は,\ 残りの部分\,\bunsuu{(3-2\ruizyoukon2\,)b_n}{2a_n+3b_n}<r\ (0<r<1)となる定数rを1つ見つければよい. \\[.5zh] 分母をb_{n+1}\,に戻して考えるのが手っ取り早く,\ \bunsuu{(3-2\ruizyoukon2\,)b_n}{b_{n+1}}<3-2\ruizyoukon2\,が容易に示される. \\[.8zh] \bunsuu{(3-2\ruizyoukon2\,)b_n}{2a_n+3b_n}=\bunsuu{3-2\ruizyoukon2}{2\cdot\bunsuu{a_n}{b_n}+3}\,として分母の最小(全体の最大)を考えるのもよい. \\[.8zh] a_n>0,\ b_n>0より 追い出しの原理より
不等式の証明の後に極限とくればはさみうちの原理である. \\[.2zh] 解けない漸化式のパターン通り,\ 不等式を繰り返し用いた後はさみうちすればよい. \\[1zh] 実は,\ 本問は解ける漸化式である.\ よって,\ 普通に解いてから極限にとばしてもよい(別解1). \\[.2zh] (4)の誘導がなければ,\ むしろ別解1が自然な解法である. \\[.2zh] 連立漸化式には決まった解法があったが,\ かなり面倒であった. \\[.2zh] しかし,\ \bm{共役な等式がある場合,\ それを連立するだけで簡単にa_n,\ b_n\,の一般項が求まる.} \\[.2zh] \{r^n\}\,を含む数列の極限では,\ \bm{分母の公比の絶対値が最大の項で分母分子を割る}のであった. \\[1zh] (3)の等式を利用する解法も考えられる(別解2).\ 一般に,\ 等式が1つあれば1文字消去できる. \\[.2zh] よって,\ a_n\,を消去してしまえば,\ b_n\,の極限に帰着する. \\[.2zh] 漸化式b_{n+1}=2a_n+3b_n\,の形とa_n,\ b_n\,が自然数であることを考慮すると,\ b_n\,→\,\infty\,は明らかだろう. \\[.2zh] 一応,\ 解答のようにして厳密に証明することができる. \\[1zh] 別解2を一般化すると,\ {a_n}^2-D{b_n}^2=1のとき,\ \dlim{n\to\infty}\bunsuu{a_n}{b_n}=\ruizyoukon D\ となることがわかる. \\[.8zh] この事実を知っていると,\ 誘導がなくても(4)の不等式を作成できる. \\[.2zh] 解けない漸化式のパターン通り,\ 次のようにして極限値を予想することもできる. \\[.2zh] \bunsuu{a_{n+1}}{b_{n+1}}=\bunsuu{3a_n+4b_n}{2a_n+3b_n}=\bunsuu{3\cdot\bunsuu{a_n}{b_n}+4}{2\cdot\bunsuu{a_n}{b_n}+3}\ より,\ c_n=\bunsuu{a_n}{b_n}\ とすると c_{n+1}=\bunsuu{3c_n+4}{2c_n+3} \\\\[-.5zh] c_{n+1}=c_n=\alpha\,とすると\ \alpha=\bunsuu{3\alpha+4}{2\alpha+3}\ であり,\ これを解いて\,\alpha=\ruizyoukon2\,を得る. \\\\
極限値が\,\ruizyoukon D\,の数列ということは\,\ruizyoukon D\,の近似値を求められることを意味するが,\ 収束は遅い. \\[.2zh] \ruizyoukon2\,の近似値を実際に求めてみる.\ まず,\ 正確な近似値は\ \ruizyoukon2\kinzi\textcolor{cyan}{1.41421356\cdots}\ でs (第2位まで一致) (第4位まで一致)  (第5位まで一致) \\\\
には,\ 以下の図形的意味があることも知っておきたい(数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}:2次曲線). \\[.5zh] x^2-Dy^2=1,\ つまりx^2-\bunsuu{y^2}{\bunsuu1D}=1\ は,\ 図形的には漸近線y=\pm\bunsuu{1}{\ruizyoukon D}\,x\,の双曲線である.