sinθとcosθ、tanθと1/tanθの対称式・交代式の値

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sinθ+\cosθ=12\ のとき,\ 次の式の値を求めよ.$ \sin^3θ+\cos^3θ$         & (2)\ \ $\sin^3θ-\cos^3θ$ (3)\ \ $\sin^4θ+\cos^4θ$ & (4)\ \ $\sin^4θ-\cos^4θ$ (5)\ \ $\tanθ+1}{\tanθ}$ & (6)\ \ $\tan^3θ+1}{\tan^3θ}$ (7)\ \ $\sinθ,\ \ \cosθ$\sinθ\,と\,\cosθ\ の対称式・交代式}$  対称式・交代式の扱いについては,\ 他分野でも繰り返し述べてきた.  また,\ ほぼ同じ問題を数Iの三角比ですでに学習済みなので,\ ここでは簡潔な解説に留める.  $x^2+y^2,\ x^3+y^3$のように文字を入れ替えても変わらない式を対称式という.  2変数対称式は,\ 必ず基本対称式$x+y$と$xy$のみで表せる.  よって,\ $\sinθ}$と$\cosθ}$の対称式は,\ $\sinθ+\cosθ}$と$\sinθ\cosθ}$のみで表せる.  さらに,\ $\sinθ$と$\cosθ$の場合には,\ 常に\ $\sin^2θ+\cos^2θ=1$の関係が存在する.  これを用いると,\ 和$\sinθ+\cosθ}$と積$\sinθ\cosθ}$の一方の値から他方の値を求められる.  結局,\ $\sinθ\,と\,\cosθ\ の対称式の値は,\ 和と積の一方の値だけで求められる.$  (1)\ \ $\sinθ+\cosθ=12\ の両辺を2乗}すると$ 和\ \sinθ+\cosθ\ は,\ 2乗によって積\ \sinθ\cosθ\ と結びつく.} 本解は,\ 対称式の基本変形\ x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)}\ を用いるものである. ただし,\ \sinθ\,と\,\cosθ\,の対称式の場合は因数分解する方針が楽である(別解). \sin^2θ+\cos^2θ=1\ が利用できるからである.   x^3+y^3=(x+y)(x^2-xy+y^2)} x^2-y^2,\ x^3-y^3\,のように,\ 文字を入れ替えると正負が逆になる式を交代式}という. 交代式は,\ 2乗すると対称式}となる.\ また,\ 必ず差をくくり出せ,\ 残りは対称式}となる. x^3-y^3=(x-y)(x^2+xy+y^2)}\ または\ x^3-y^3=(x-y)^3+3xy(x-y)}\ を利用する. どちらにせよ\ \sinθ-\cosθ\ の値が必要になるので,\ 2乗で対称式にして求める. 2乗をはずすとき,\ 正か負か両方かを確認する}必要がある. x^4+y^4=(x^2)^2+(y^2)^2=(x^2+y^2)^2-2x^2y^2=(x^2+y^2)^2-2(xy)^2 x^4-y^4=(x^2+y^2)(x^2-y^2)=(x^2+y^2)(x+y)(x-y) \tanθ=\sinθ}{\cosθ},\ \ 1}{\tanθ}=\cosθ}{\sinθ}\ より,\ 実質\,\sinθ\,と\,\cosθ\,の対称式である. \tanθ\ と\ 1}{\tanθ}\ の対称式}なので,\ xと\,1x\,の対称式と同様に\ \tanθ+1}{\tanθ}\ のみで表せる. 基本対称式(和と積)をなす2変数を求めるとき,\ 2次方程式を作成する}のが基本であった. x=α,\ β\ を解にもつ2次方程式の1つは (x-α)(x-β)=0\ より x^2-(α+β)x+αβ=0 よって,\ 和\,α+β\,と積\,αβ\,の値から\ α,\ β\ を解にもつ2次方程式を作成できる. ちなみに,\ 一番最初に\,\sinθ,\ \cosθ\,を値を求めると,\ (1)~(6)を代入するだけで求められる.