2直線の交点の軌跡

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mの変化に対して交点の位置がどのように変化するかを確認してください。
変化の割合は一定ではなく、mが大きくまたは小さくなるほど遅くなります。
mが大きくまたは小さくなると(0,-2)に限りなく近づきますが、(0,-2)となることはありません。

mがすべての実数をとるとき,\ 2直線\ mx-y=0\ と\ x+my=-\,2m+2$の交点の軌跡 $を求め,\ 図示せよ.$ \\ 2直線の交点の軌跡軌跡を含む座標平面上のすべての図形は,\ 「方程式・不等式を満たす点の集合」である.  よって,\ 「\,2つの方程式を両方とも満たす点の集合}」}を求めると,\ それが交点の軌跡である.  そのような点の集合を求めるには,\ 逆像法の考え方が必要になる.  実数$m$}に対応して2直線が定まり,\ 交点$(x,\ y)$}も1つ定まる.  逆にいえば,\ $交点の軌跡上の点(x,\ y)}には,\ 対応する逆像m}が存在しているはず}である.$  ここでの逆像$m$とはを満たす実数$m$のことである.  このような実数$m$が存在するか否かで座標平面上の点$(x,\ y)$を分類していく.  すると,\ 自ずと交点$(x,\ y)$の集合が浮かび上がる.  例えば,\ 座標平面上の点$(2,\ -\,2)}は,\ 交点の軌跡上にあるだろうか.$  つまり,\ $(2,\ -\,2)は交点の軌跡上の点である}といえる.$  では,\ 座標平面上の点$(1,\ 1)}は,\ 交点の軌跡上にあるだろうか.$ 両方を同時に満たすmは存在しない.}$  よって,\ どのような実数$m$に対しても,\ (1,\ 1)が交点になることはない.  つまり,\ (1,\ 1)は交点の軌跡上の点ではない.} を満たす実数$m$が存在するような$(x,\ y)$の集合}を求めればよい.}  $(x,\ y)}$の条件が,\ 残りの文字$m}$の実数存在性を追求して求まるという構造が重要である.  $2直線の交点を(X,\ Y)とおく.$  求める軌跡は,\ 以下の2式を同時に満たす実数$m$が存在するような$(X,\ Y)$の集合}である. \\[ 直線の方程式の(x,\ y)と区別するため,\ 交点の座標を(X,\ Y)として求めた. 自身が混乱しないのであれば,\ (x,\ y)のままで求めても同じことである. ①をmについて解こうとするとXが分母にくるので,\ X=0の場合を分けて考える. X≠0のとき,\ 実数mの存在条件を求めることは,\ 結局はmを消去する}ことである. mを代入した直後に分母のXを単純にはらってもよいのは,\ X≠0だからであることに注意する. 一般に,\ AB=C\ ⇔\ A=BC\ かつ\ B≠0}\ である. (B≠0がなければ \Longleftarrow が成り立たない) B≠0という前提のもとでは,\ AB=C\ ⇔\ A=BC\ が成立する. こうして円の方程式が得られるが,\ X=0のとき(y軸上)の2点を除く}必要がある. 最終的に[1]と[2]をまとめると,\ (0,\ -\,2)のみが除外点となる. より理解を深めるため,\ 条件が加わった場合の交点の軌跡}も求めてみる.  X=0のときのm=1はを満たすから,\ 原点(0,\ 0)を含む.  X≠0のとき,\ 同値記号を用いて記述すると以下のようになる. を満たす実数mが存在する.を満たす実数mが存在する. [-.5zh]   両辺にX^2\,(常に)を掛けて同値変形すると,\ XY>0となる.  求める軌跡は,\ 円(x-1)^2+(y+1)^2=2の第1象限と第3象限の部分(原点含む)}である. \\[-23zh] ①と②を普通に連立して交点を求めると X=2-2m}{m^2+1},\ \ Y=2m-2m^2}{m^2+1}\ \ ・・・・・・\,③ これは媒介変数型の軌跡}であり,\ 当然③からmを消去して交点の軌跡を求めることもできる. ただ,\ ③に変形してからmを消去するくらいなら,\ ①と②から直接mを消去すれば済む.} {図形的解法}線分OAを直径とする円上}にある.2点O,\ Aも求める軌跡上の点}である.   一方,\ どのような実数$m$に対しても,\ ①は$y$軸,\ ②は直線$y=-\,2$を表せない.   よって,\ $y$軸と直線$y=-\,2$の交点である(0,\ $-\,2$)は求める軌跡に含まれない.} 2直線が定点を通ることと直交することに気付くと,\ 図形的に軌跡を求められる. よくあるパターンなので,\ 多少の経験があれば気付くことは難しくない. 数II}の範囲で問題作成するには,\ 必然的に型にはまった問題設定にならざるを得ないのである. mで整理すると,\ 直線が通る定点}を求められる. x-2+m(y+2)=0がmについての恒等式となる条件は x-2=0\ \ かつ\ \ y+2=0 2直線a_1x+b_1y+c=0,\ a_2x+b_2y+c=0の垂直条件 a_1a_2+b_1b_2=0} 2定点から見込む角が90° である点の軌跡は,\ 2定点を直径とする円上(2定点は除く)にある.} あくまでも「軌跡は円上にある」であり,\ 「軌跡は円である」とはいえないことに注意する. 円上の点のうち,\ 対応する実数mが存在する部分のみが求める軌跡}である. まず,\ 2定点が軌跡に含まれるか否かを実際にmの値を求めて判断する. さらに,\ 2直線が通らない点があるので,\ これを除外する}必要がある. mx-y=0は,\ x=0かつy≠0のとき成り立たない.\ つまり,\ 直線x=0を表すことはできない. わかりにくいならば,\ y=mxと変形して考えればよい. 傾きmをどのように変化させても直線x=0を表すことはできない. x-2+m(y+2)=0についても同様である. 図形的解法は基本的には簡潔に済むが,\ 除外点の有無を慎重に考察する必要がある. また,\ m>0のように条件が複雑になると対応がより難しくなる.