定積分を含む漸化式で定義された関数列

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本項目は数学B:数列の漸化式の知識を要します。

関数の列}\ f_1(x),\ f_2(x),\ ・・・・・・,\ f_n(x)\ が定積分を含む漸化式で定義されている. f_1(x)が与えられれば,\ 漸化式からf_2(x)が定まる. 同様にして順次f_3(x),\ f_4(x),\ ・・・・・・\,が定まっていく. ∫{0}{1}f_n(t)\,dt\ は,\ 積分区間が定数から定数なので,\ f_n(t)が何であれ定数になる.} よって,\ 文字定数でおくことができる.\ つまり,\ 前項の積分方程式(定数型)と同様に扱える. ただし,\ f_n(x)はnによって式が変わっていくから,\ 定積分∫{0}{1}f_n(t)\,dtの値もnによって異なる.} よって,\ 単純に\ ∫{0}{1}f_n(t)\,dt=k\ とおくことはできず,\ ∫{0}{1}f_n(t)\,dt=a_n}\ とおくことになる. 後は,\ a_{n+1}\,を計算}していくと,\ 特殊解型2項間漸化式a_{n+1}=pa_n+q}に帰着する. この型の漸化式は,\ まず\ a_{n+1}=a_n=α\ として特殊解\,α\,を求める. 本問の場合,\ α=13+12α\,より,\ α=23\,である. α\,を用いると,\ a_{n+1}=pa_n+qは等比数列型a_{n+1}-α=p(a_n-α)}に帰着する. 漸化式を解いてa_n\,が求まるとf_{n+1}(x)も求まるので,\ f_n(x)に変換する. 単純にn\ →\ n-1とすればよいが,\ このとき\ n≧2としなければならない}ことに注意する. f_1(x)においてn\ →\ n-1とするとf_0(x)となってしまい,\ n≧1に矛盾するからである. 最後に,\ n=1の場合とn≧2の場合をまとめて答えることができないかを考える. n≧2の式に試しにn=1を代入してみると,\ f_1(x)=x^2+10}{3}x\ となる. これは問題で与えられたf_1(x)=2x+1と一致しない. よってまとめて答えることはできず,\ n=1とn≧2の場合を分けて答える}ことになる.