2次方程式の解の存在範囲(解と係数の関係の利用)

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解の存在範囲については数Ⅰでグラフによる解法を学習した。本項では同値変形による解法を学習する。

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2次方程式\ x^2-ax+a^2-3a=0\ が,\ 次の条件を満たすような定数aの値の範囲を$ $求めよ.$  $(1)\ \ 正の実数解と負の実数解をもつ.$  $(2)\ \ 異なる2つの正の実数解をもつ.$  $(3)\ \ 2より大きい実数解と2より小さい実数解をもつ.$  $(4)\ \ 2より小さい異なる2つの実数解をもつ.$ \\ 2次方程式の解の存在範囲}$ \\   全く同じ問題を,\ すでに数Iの2次関数で学習済みである.   数Iではグラフを用いて図形的に解いたが,\ 数IIでは同値変形を利用して求める.   2次方程式の異なる2つの実数解を$α,\ β$,\ 判別式を$D$とすると 一般に,\ 実数\ α,\ β\ に対して以下が成立する. さて,\ 虚数には大小や正負が存在しないのであった. よって,\ 2つの解が正や負という条件があるとき,\ 実数解であることが前提}となる. ここで,\ 仮に2つの解が\,α=1+i,\ β=1-i\ であったとしよう. のみの条件では,\ 2つの解\,α,\ β\,が虚数である可能性が残ってしまう. それゆえ,\ 実数解条件D>0も加えなければならない}のである. x=α,\ β\ を解にもつ2次方程式は a(x-α)(x-β)=0  常にD>0 よって,\の条件がある場合にはD>0の条件は必要ない. 同値変形を利用する解法は,\ 条件が単純な解の存在範囲の問題に対してはかなり有効である. 一方で,\ 条件が複雑な解の存在範囲の問題への対応は難しく,\ 汎用性は低い. よって,\ 数bf Iのグラフを利用する解法の習得が優先}である.\ その上で同値変形による解法も習得する. こう述べると,\ 数 Iの解法さえ習得しておけばそれで十分と思うかもしれないが,\ その考えは甘い. 試験では,\ 強制的に特定の解法に誘導されることがありえる. それゆえ,\ 教科書に載っている解法はすべて習得しておく必要がある.\ これは本問に限らない. 以下の間違いが多発}するので注意しなければならない. 次は,\ あくまでも右辺が0の場合にのみ成立する}のである. \ 以下のように,\ 右辺を0にしてから適用することになる.  $x^2-ax+a^2-3a=0$の2つの解を$α,\ β$,\ 判別式を$D$とする.{解と係数の関係}より 2解の和\,α+β,\ 積\,αβ\,は,\ 解と係数の関係を用いて直ちに求められる}のであった. よって,\ 同値変形による解法は,\ 解と係数の関係との相性が抜群に良い.とする.\ 軸はx= a2\,である. グラフを用いて図形的に求めるとき,\ 「判別式」「軸」「区間の端のy座標」に着目するのであった. 同値変形で導かれる不等式が,\ グラフで考えて導かれる不等式と一致していることを確認してほしい.グラフで考えたときの\ f(0)<0}\ と一致している. グラフで考えたときの\ 軸>0,\ f(0)>0}\ と一致している. \ \ グラフで考えたときの\ f(2)<0}\ と一致している. ,\ グラフで考えたときの\ 軸<2,\ f(2)>0}\ と一致している.