整数の除法、除法の原理 a=qb+r (0≦r<b)

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整数に関する除法の原理   $整数aと自然数bに対して,\ 次を満たす整数q,\ rがただ一組存在する.$   整数$q,\ r$をそれぞれ,\ $aをbで割ったときの商(quotient}),\ 余り(remainder})$という.   特に$r=0$のとき,\ $aはbで割り切れる$という.    [\,存在性\,]   以下のように,\ 数直線を$b$の倍数を境に分割する.   このとき,\ 任意の整数$a$はいずれかの範囲に属する.   よって,\ $qb≦ a<(q+1)b$を満たす整数$q$が存在する.  [\,唯一性\,]   $a=qb+r$と表せる整数$q,\ r$が2通りあると仮定し,\ 次のようにおく. a=qb+r,\ 整数の割り算について成り立つ等式}である. 例えば,\ 日本語「\,7を2で割ると商3,\ 余り1\,」は,\ 和と積のみの等式「\,7=3・2+1\,」で表せる. また,\ その表し方がただ1通り}である点が重要である. -\,5を2で割ったときの余りを,\ 等式を作成することで求めてみよう. -\,5=○・2+□\ に入る整数を考えると,\ -\,5=-\,3・2+1\ より,\ 商-3,\ 余り1である(正解). -\,5=-\,2・2-1\ より,\ 商-2,\ 余り-1とするのは間違い}である. 余りrには条件0≦ r<2}がある.\ つまり,\ 2で割ったときの余りは0か1}でなければならない. rの範囲が限定されているからこそ,\ a=bq+r\ がただ一通りに表される}のである. 上級者は証明も確認しておいてほしい. この過程を逆に辿ったのが存在性の証明である. 唯一性の証明は,\ 2通りを文字で設定し,\ それが等しいことを示すものである. この手法は,\ ただ1つであることの証明方法としてよく用いられる. $4で割ると商q,\ 余り3となる自然数mと,\ 6で割ると商q,\ 余り2となる自然数nが$ $あるとき,\ 3m+4nを12で割ったときの余りを求めよ.$ \\ 文字m,\ nを実際に割り算することはできず,\ 割り算について成り立つ等式を作る}ことになる. これを3m+4nに代入して計算し,\ 12をできる限りくくりだす}と12で割ったときの余りが求まる. このとき,\ 36q+17=12・3q+17\ より,\ 余り17と答えるのは誤り}である. 12で割ったときの余りは,\ 0≦ r12}を満たす整数rでなければならない. よって,\ 36q+17=36q+12+5=12(3q+1)+5\ のように変形することになる.