2013年 慶應義塾大学 慶應はナンプレ(数独)がお好き?

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2013年、慶應SFC総合政策学部において以下のような問題が出題された。

SFCとは湘南藤沢キャンパス(Shonan Fujisawa Campus)の略称であり、「慶應SFC」はここで4年間学ぶ総合政策学部と環境情報学部のことを指すことが多い。

両学部はキャンパスと共に1990年に創設された。2つの学部にはほとんど違いはなく、どちらも文系・理系という枠組みに捕らわれず、自由度が高く自主性を重んじたカリキュラムで学ぶことができる。その点、ほぼ学習内容が確定している他の学部とは一線を画す。

慶應SFCは、総合型選抜(旧AO入試)での合格者が多く、一般入試でも「数学+小論文」または「英語+小論文」のみで受験できるため、ネットでは「慶應の最底辺」「芸能人とアスリートのための学部」などと散々な言われ様であるが、就職に強く、卒業者には起業家も多い。なお、AO入試を初めて導入したのは慶應SFCである(1990年)。

2013年に書籍化、2015年に映画化され大ヒットした「ビリギャル」は、慶應SFCへの合格(実話)を元にしている。

「底辺高校の非行少女が短期間で奇跡的に慶應大学に逆転合格した」とも受け取れるタイトルであったが、実態は異なっていたため、ネット上では批判的な意見も少なくない。

実態は書籍中で詳しく述べられているので別に隠しているわけではないが、タイトルが言葉足らずなのも事実である。不足部分を補うと、「(中学受験を突破して入学した名門進学校で)学年ビリの(見た目は)ギャル(だが実は割と真面目な女の子)が(多くの高校生よりも早い2年生のうちから週3週4で塾通いして)1年(半)で(英語の)偏差値を40上げて慶應大学(経済学部・商学部・文学部は不合格だったものの総合政策学部)に(すべて選択問題の英語と小論文だけで)現役合格した話」となる。

こんなことを書いていると書籍を批判しているのかと思われそうだが(笑)、全くそんなつもりはなく、受け取り方を間違えなければ非常によい書籍である。

多少の誇張はあるのかもしれないが、かなりの低偏差値から相応の努力をして倍率5~10倍の慶應SFC合格を勝ち取ったことにほぼ疑いようはなく、どのような経緯や戦略でそれを成し遂げたのかが詳細に述べられている、そういう書籍なのである。受かるべくして受かっており、その戦略や著者の坪田氏の心理学に基づく指導テクニックなど、受験生や教師が参考にできることも多く記載されている。

低偏差値からの難関国立大学5教科一般入試合格体験記ということならば、以下の記事をどうぞ。

長々と述べたが、簡単に言えば慶應SFCはかなり特殊な学部であるということである。

そのため、一般入試の数学では他学部ではほとんど見られないようなユニークな問題が度々出題されている。

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こ、これは・・・ナンプレそのまま・・・。

ナンプレとは、アメリカのパズル誌に載っていた「Number Place」というパズルである。日本では数独(ニコリの商標登録)とも呼ばれる。1980年代に「数字は独身に限る」という題で紹介されたことに由来する(Wikipediaより)。

背景に数学があるとはいえ、この問題を解くこと自体は数学と関係ない。もちろん受験勉強も役に立たないこの問題の出題意図は一体・・・。

ナンプレは暇つぶしにiPadアプリのものを多少やったことがある程度である自分が解いたところ、所要時間は32分であった。アプリでは色づけなどの補助が成されるが、完全に紙と鉛筆だけでやったのは初めてである。

高難度のナンプレでは先を見越して多角的に絞り込むといったことが必要だが、特別に埋めにくい部分はなくナンプレとしては難易度が低いものである。

しかし、全くの無経験だったとすると要領よく埋めるのは中々難しい。さらに、一発勝負という緊張感の中では落ち着くことも許されない。試験時間120分で大問5つがあることを考えると、受験生は時間配分にかなり苦心したことだろう。

答えが要求されているマスは序盤で判明するものも終盤で判明するものもあるため、仮に全て埋めることができなくてもある程度の部分点が稼げるようになっている。その意味ではこの問題の出来が直接合否に影響することは少なかったと思われるが、途中で間違えて訳が分からなくなった結果、他の問題にも悪影響を及ぼして無惨な結果に終わった人もいたのではないかと推測する。

解答を示しておくので、小学生から大人まで暇つぶしにどうぞ。

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ちなみに、前年の2012年にも薬学部で以下のような問題が出題されていた。

こちらは数え上げの能力が問われる場合の数の良問である。

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3行目が4通りずつあるとして、24×4×4=384通りとしてしまう間違いを犯しやすく、限られた時間内で正解するのは容易ではない。